泥棒映画と思って

録画していた『黄金を抱いて翔べ』(2012年/監督:井筒和幸)を観る。金塊強奪に挑む男たちを描いたクライムアクション。原作は高村薫のデビュー小説。

過激派や犯罪者相手に調達屋をしてきた幸田(妻夫木聡)は、大学時代からの友人・北川(浅野忠信)から銀行地下にある15億円の金塊強奪を持ちかけられます。幸田と北川は、銀行のシステムエンジニア・野田(桐谷健太)、爆弾作りの脱北者モモ(チャンミン)、北川の弟・春樹(溝端淳平)、元エレベーター整備士のジイちゃん(西田敏行)を仲間にして、大胆不敵な作戦を決行しますが……

6人の過去が複雑に絡み合って物語が展開。モモが元北朝鮮のスパイだったことや、ジイちゃんが元労働争議の委員長だったことから、公安の二重スパイ(鶴見辰吾)や左翼主義者(田口トモロヲ)が絡んできたり、春樹が元暴走族だったことから半グレのリーダー(青木崇高)が絡んできたりします。単純な泥棒映画にしないのが井筒監督のこだわりなんでしょうな。しかし、肝心の金塊強奪に緻密さがなく、泥棒映画としては今イチで~す。