週に一度は西部劇

録画保存していた『昼下りの決斗』(1962年/監督:サム・ペキンパー)を再見。

かつての名保安官スティーブ(ジョエル・マクリー)が、昔の相棒だったギル(ランドルフ・スコット)と若造のヘック(ロン・スター)を助手にしてシェラ山中の鉱山から採掘された金を運ぶことになります。鉱山に行く途中で、恋人ビリー・ハモンド(ジェームズ・ドルーリー)との結婚のために厳格な父(R・G・アームストロング)に反抗して家を出てきたエルザ(マリエット・ハートレイ)が同行。道中でヘックはエルザに惹かれ、エルザもヘックを好きになります。ビリーはエルザを兄弟共有の女にしようとしており、ヘックが助け出したことからスティーブたちはエルザを家に連れて帰ることにします。金を引き取った帰路、ギルとヘックが金を狙っていることを知ったスティーブは武器を取り上げますが、そこにハモンド兄弟が襲ってきて……

西部劇の老優となったジョエル・マクリーとランドルフ・スコットが時代遅れの老ガンマンを好演。銀行家との仕事の契約でマクリーは身なりを整えているのですが、上着からのぞいたシャツの袖口はボロボロで、説明しなくても金に縁のない生活を送ってきたことがそれだけでわかります。このような細かい演出が随所に見られ、登場人物像を膨らましていますね。アクションばかりが中心になって、人間が描けていない最近の映画にはない魅力です。再見して感じたのは、人生のたそがれとなった男を描かせたらペキンパーは実に見事ですね。

ペキンパーの映画監督2作目で、傍役で出演しているR・G・アームストロング、ウォーレン・オーツ、L・Q・ジョーンズ、ジョン・デイビス・チャンドラーは、その後のペキンパー映画には欠かせない存在。ジェームズ・ドルーリーとジョン・アンダーソンはこの映画だけですが、ペキンパーが監督した『ライフルマン』のエピソードには出演しており、当時はペキンパーの好みだったのでしょう。ジェームズ・ドルーリーは『バージニアン』で人気となり、ペキンパーとは縁のない存在となってしまいましたけどね。

ところで、この作品は私がランドルフ・スコットをリアルタイムで観た最初で最後の作品。ランドルフ・スコットの西部劇は名作じゃないので、名画座でもリバイバルでも上映されることがなかったんですよ。原題は『Ride the High Country』と『Guns in the Afternoon』の二つありますが、日本で劇場公開された時は『Guns in the Afternoon』でした。録画していたものは『Ride the High Country』で~す。