懐かしのテレビ時代劇

時代劇専門チャンネルで放送していた『燃ゆる白虎隊(全13回)』を観了。国際放映製作のテレビ映画で、1965年5月4日~7月27日にTBS系列で放送。

鳥羽伏見の戦いで敗れた会津藩は、藩主・松平容保(中村竹弥)と家老・西条頼母(佐々木孝丸)は船で江戸へ逃げ、日新館館長・日向外記(中村竹弥の二役)と家老・梶原大作(神田隆)は陸路で会津を目指します。官軍の追手が迫っており、梶原はケガ人をおいていくと先を急ぎ、外記は日新館で学ぶ若侍・篠田雄三(清川新吾)や梶原の息子・和馬(三田明)たちとケガ人を守って官軍と戦いますが、足手まといになることを恐れたケガ人たちは自決。第1話から悲劇のエピソードね。その後も、和平の道をさぐる日向外記や西条頼母に好戦派の梶原が暗殺をしかけたりするような1話完結のフィクション・エピソードばかりです。

レギュラーは上記の他に、外記の妻・志保(加藤治子)、篠田に恋している外記の娘・美音(佐々圭子)、日新館の教授・河原田健吉(天野新二)で、エピソード毎に神山繁二木てるみといったゲストが出演。

クライマックスの12回と最終回は、松平容保に従って滝沢峠に出陣した日向外記は、戸ノ口原の戦線がピンチということで白虎隊を率いて救援に行きます。しかし、外記に本陣に来るようにとの連絡が入り、深傷を負った梶原の代わりに容保を護衛して帰城。城を枕に討死にしようとする容保に、生きて汚名をはらすように説得し、白虎隊を捜しに戻ります。白虎隊が飯盛山に向かったことを知り、駆けつけますが白虎隊は既に自決。外記も自決してエンドです。

主人公の日向外記のモデルは白虎隊士中二番隊の隊長だった日向内記(ひなたないき)なんですが、日新館館長でもなければ末席家老でもありません。戦前は飯盛山で自刃した白虎隊を見捨てて城へ逃げ帰った卑怯者と云われていましたが、戦後は色々な資料によりこのドラマに近いのが真相と云われています。自決はしませんでしたけどね。脚本家の鈴木兵吾は、映画やドラマでは無能な上官として描かれる日向内記の汚名をはらしたかったんでしょうなァ。