懐かしのサスペンス

録画していた『シャレード』(1963年/監督:スタンリー・ドーネン)を観る。ずっと以前に洋画劇場で観て以来の再見です。主題歌だけは何度も聴いていたんですけどね。

夫との離婚を決意してフランスのスキー場にきたレジーナ(オードリー・ヘップバーン)は、ピーター(ケーリー・グラント)という男と知りあい惹かれます。パリのアパートへ帰ると家財は全てなくなっており、夫が殺されたことを知らされ唖然。葬儀場に見知らぬ三人の男(ジェームズ・コバーンジョージ・ケネディ、ネッド・グラス)が現れ、レジーナは不安を抱きます。大使館の財務官(ウォルター・マッソー)に呼ばれたレジーナは、彼女の夫が戦時中に政府の金25万ドルを横領・隠匿し、葬儀にきた3人と山分けすることになっていたが独り占めしたために殺されたことを知り、ピーターに相談。3人が次々に殺されたことから、レジーナはこれらの事件に絡むピーターが犯人と思いますが……

シャレードとは謎ときのジェスチャーゲーム。公開当時、オードリーがジヴァンシーのパリモードをとっかえひきかえ見せるので、“おシャレのパレード”の略じゃないかと、駄洒落がとんだとのこと。美しくあでやかなオードリーと、ナイスミドル(当時の流行語でいえばロマンスグレー)のケーリー・グラントが絶妙なコンビでみせるユーモアたっぷりのロマンチック・サスペンスです。ジェームズ・コバーンジョージ・ケネディウォルター・マッソーといった個性的な傍役陣。追っかけシーンにパリの地下鉄などをうまく使ったスピーディーでしゃれたスタンリー・ドーネンの手際よい演出。ヘンリー・マンシーニの音楽もグッド。ジョニー・マーサーが詞をつけた主題歌は劇中では流れませんでしたが、アンディ・ウィリアムスが歌って大ヒット。何もかも軽快で、たわいなくて、楽しい作品で~す。