ブックオフでゲットしたDVD『成熟する季節』(1964年・日活/監督:斎藤武市)を観る。大人の偏見や無理解をものともせず、明るく生きる地方都市の高校生の姿を描いた青春映画です。
城北高校の3年生・花木悠子(和泉雅子)は、派手好きで反抗的で、何をしでかすかわからない女子高生。浪人中だった城北高卒業生が悠子に失恋して自殺したことから、教員会で悠子の処分が話題になります。古手の教師たちは悠子の処罰を主張しますが、担任の英語教師・山中(長門裕之)と国語教師・奈井(芦川いづみ)が反対し、山中が悠子を指導することに決定。ノイローゼの浪人生が片想いして勝手に死んだのに、学生たちは中傷や興味の視線を注ぎます。そんな中、同級生の番村(浜田光夫)はいつもと変わらぬ態度で悠子に接し、悠子は番村に好意を持つんですな。番村は奈井先生に片想いの恋をしており……
悠子の家はお手伝いさんがいる裕福な家庭ですが、2号がいる父(下元勉)にウジウジしている母(山岡久乃)を見て、卒業したら花嫁修業でなくデパートで働こうと思っているんですが、現在では考えられない身長制限があって入社できません。番村は母(初井言栄)ひとりの貧しい家庭ですが、隣家で借りたバイクで女学生を送って足代を稼いだり、昼食を売ったりして生活力旺盛。卒業したらコックになって独立し、奈井先生との結婚を夢見ていますが、奈井先生は山中先生と結婚することになり失恋。実を結ばない二人ですが、明るくハッピーなラストになっています。
教師役は、校長が殿山泰司、教頭が浜村純、古手の教師に沢村貞子と井上昭文が出演。デパートの店員役で端役時代の山本陽子が出演していま~す。