週に一度は西部劇

先週に続き、DVDで“サバタ”シリーズの『西部決闘史』(1972年/監督:フランク・クレーマー)を再見。原題は、『RETURN of SABATA』ね。

サーカス一座の女優が殺され、犯人と思われた手品師は行方不明。サーカスに潜入していたサバタ(リー・ヴァン・クリーフ)は、事件究明のために酒場女マギー(アンナベラ・インコントレラ)に惹かれたかのように装い、町に居座ります。酒場の主人クライド(ライナー・ショーン)は軍隊時代の上官だったサバタに5千ドルの借金があり、サバタの存在は有難迷惑。町の支配者・マッキントック(ジャンピエロ・アルベルティーニ)は、サバタを追い出すために殺し屋を差し向けますが、サバタには手も足も出ません。クライドの部下だったアクロバット2人組はサバタに心酔して部下になり、町のお騒がせ男ブロンコ(ペドロ・サンチェス)もサバタに協力。マッキントックは税金として集めた金を、手品師が作った贋札にかえていたことがわかります。殺された女優は手品師を調べていた捜査官だったのね。マッキントックの悪事をあばいたサバタは、金の隠し場所を探るために着服した金の1割をよこすようにマッキントックを脅し……

ミステリータッチという新しい面を出そうとしたのでしょうが、『西部悪人伝』と比較すると作品レベルは格段に落ちます。人物関係が曖昧なのが難点。ブロンコとアクロバット2人組が急にサバタの子分になる理由がはっきりしていないんですよ。“決闘史”の題名が恥ずかしくなるくらい、決闘に魅力がありません。趣向を凝らした撃ちあいは少ないし、私のお気に入りだった長銃身装着のライフルも出てきません。ただ、掌で握りしめて発射するレモン・スクウィーザー・パーム・ピストル(実在する珍銃)が出てきたのは嬉しかったですけどね。映画の中で見るのは初めてでした。マルチェロ・ジョムビーニの音楽も前作と比べると今イチ。