続いて

DVDで『賞金首一瞬八人斬り』(1972年・東映/監督:小沢茂弘)を再見。若山富三郎の“賞金稼ぎ”の第3弾です。

甲州黒戸金山から江戸に送られる黄金が伊那山岳党に奪われます。首領の夜叉狼(今井健二)は捕えたものの、黄金の行方はわかりません。老中(内田朝雄)は五日間の期限つきで賞金稼ぎの市兵衛(若山富三郎)に黄金奪取を依頼。スコープ付き拳銃など七つ道具を身に着け、黒戸金山の麓に乗り込みます。夜叉狼を助け出しますが、伊那山岳党の黒幕だった尾州藩の隠し目付・弥十郎天知茂)が夜叉狼を殺害。黄金は黒戸金山支配の棺桶辰(大木実)に奪われており、市兵衛は棺桶辰の情婦・お紋(川村真樹)に近づきます。お紋と黒戸金山に乗り込んだ市兵衛は廃坑に隠されていた黄金を奪取。しかし、棺桶辰の幼い息子を人質にした弥十郎が立ふさがります。

老中の隠し目付・野呂陣内(内藤武敏)が黄金を渡すように市兵衛に迫りますが、市兵衛は弥十郎と人質交換。決死の追跡戦で市兵衛は、弥十郎を倒し黄金を取り返しますが、陣内が黄金奪取犯として棺桶辰だけでなく幼い息子まで殺したことから陣内と対決。

カツシンが殺陣は兄ちゃんの方が上手いというくらいで、ワカトミのスピードと迫力は抜群。ことに居合斬りがとくいで、そのキマリの鮮やかさは見事。この作品ではそれを活かすために、刀でなく仕込み杖を使っています。だけど、それだけね。宿敵の天知の武器が二連式の短銃で、チャンバラ対決が今イチだったのが残念です。ワカトミ以外のキャラに魅力がないのも難点。王道外れの時代劇ですが、私はこんな映画が好きなんで~す。