最後に

nostalji2016-11-25

友人が送ってくれた西部劇DVD『夢想の楽園』(1926年/監督:ヘンリー・キング)を観る。ゲーリー・クーパーが初めてタイトルに名をつらねた記念すべき作品です。
西部へ移住する途中の砂漠で両親を亡くしたバーバラ(ヴィルマ・バンキー)は、開拓団のワース(チャールズ・レイン)に救われ、養女として育ちます。ワースは砂漠の地にコロラド川から水をひき、肥沃な土地にすることを夢見ており、バーバラの幼馴染のエイブ(ゲーリー・クーパー)が測量を手伝っているのね。ニューヨークの投資家グリーンフィールドが技師のホームズ(ロナルド・コールマン)をともなって現れ、水路を作ってコロラド川から水をひくことに成功します。町は移住者が押しかけ、グリーンフィールドは大儲け。バーバラとホームズは愛し合うようになります。エイブは水路に作ったダムの欠陥に気づき、ホームズが補強の必要性をグリーンフィールドに進言しますが容れられず、ワースたちは高台に新たな町を建設。グリーンフィールドは自分の事業を邪魔されたと考え、あらゆる妨害をしますが……
コロラド川の洪水でダムが決壊し、町が水にのみこまれるクライマックス・シーンなど、スケールの大きな西部開拓劇です。狙撃されて負傷したクーパーに代わって、コールマンが給料を届けて、暴動を起こしそうな人々からヴィルマを救うヒーローなんですが、クーパーの方が存在感があります。ヴィルマを密かに愛していたクーパーが、ヴィルマがコールマンを愛していることを知って、自分の想いは兄妹の愛情だと言って身を引くのは、日本人の心情にあっていて、本国よりも先にゲーリー・クーパーは日本で人気スターになりましたね。クーパーの映画史に残る作品で〜す。