溜まってきたので

録画したままだった『金田一少年の事件簿・上海魚人伝説』(1997年/監督:堤幸彦)を観る。テレビの人気ドラマの劇場版。主演の堂本剛ともさかりえが私の好みでなかったのでテレビは見ていないのですが、原作のマンガは息子たちが読んでいて、私もついで読みしていました。マンガといっても、しっかりしたミステリーでしたな。でもって。この映画のお話ですが……

名探偵・金田一耕助の孫である一(堂本剛)は、幼馴染の美雪(ともさかりえ)と、美雪のペンフレンド・レイリー(水川あさみ)の頼みで上海にやってきます。レイリーが所属する雑技団の団長が死んで、レイリーの兄シャオロン(陳子強)が殺人容疑者になっていたのね。かつて雑技団で悲劇にみまわれた女性スターが残した呪い歌とともに連続殺人事件が発生。金田一少年が謎を解いていきます。

ミステリーとしては平凡。金田一少年の謎解きまで待たなくて真犯人はわかります。ドタバタした展開で映画としても今イチ。テレビで充分のような作品で~す。

 

週に一度は西部劇

録画していた『荒野の渡り者』(1965年/監督:アルバート・バンド)を観る。フランコ・ネロがブレイクする前に出演していた初期のマカロニウエスタンです。

南北戦争が終わり、コーディン家の長男ロン(ゴードン・スコット)が帰還。北テキサスの大牧場主である父のテンプル(ジョセフ・コットン)は地域一帯を暴力で支配する独裁者。テンプルは南部心酔者で、黒人奴隷を使っていることを批判した記事を書いた新聞社主をリンチ。長女ベス(エマ・ヴァローニ)は北部出身の牧場主チャーリー(フランコ・ネロ)と結婚しようと思っていますが、テンプルは大反対。父のやり方に反発するロンは、チャーリーが殺されることを恐れ、チャーリーにベスと一緒にこの土地から去るように進言。ロンは、新たな土地で牧場を始めるチャーリーと飼っていた牛を率いて出発。気弱なことを兄たちに馬鹿にされ、毅然としているロンにあこがれていた五男のボビー(ジム・ミッチェル)もついてきます。テンプルはベスを連れ帰るように部下たちに命令。追ってきたテンプルの部下を殺したロンは、ベスが結婚したことを告げに牧場に戻り、時代が変わったことを父親に説明。テンプルは聞く耳を持たず、町に戻ってきたら殺すとロンに宣告。しかし、ロンはリンチされた新聞社主の娘エディス(イラリオ・オッキ-ニ)と知りあい、キャトルドライブしていくうちにたくましくなったボビーと一緒に町に戻ってきます。テンプルは自分の言いなりになる次男・三男・四男と部下たちに、エディスとロンを殺すように命じますが……

最後は兄弟同士が撃ちあう陰惨な物語。息子たちの死体を見たテンプルはショックで認知症になり、生き残ったロンが家に連れて帰ります。南部の敗戦を認めず、古い体質を維持しようとする父親と良識的な息子との対立。父と子の対立は本場西部劇でもよくあるパターンですが、陰湿な内容にしたのはマカロニ的。物語展開や銃撃戦の演出は褒められたものではありませんが、初期のマカロニとしては悪くありません。フランコ・ネロは銃撃戦には参加せず、主人公の妹と結婚するだけの平凡な役。

主演のゴードン・スコットは、11代目ターザン役者。5本のターザン映画に主演していますが、私は『ターザン大いに怒る』を観ています。友人の保安官が悪党一家に殺され、ターザンが犯人を逮捕。警察本部まで連行することになりますが、悪党一味が河船を爆破したために乗客と一緒にジャングルを進むことになります。ジャングルの猛獣や土人の襲撃をかわし、追ってきた悪党一味と対決。アフリカが舞台ですが、内容は西部劇タッチでした。

 

懐かしの大作映画

録画していた『ヴァイキング』(1958年/監督:リチャード・フライシャー)を観る。歴史に名高きヴァイキングの活躍を初めて映画化した大作です。

西暦9世紀の頃、ヴァイキング王ラグナー(アーネスト・ボーグナイン)は、イングランドに攻め入り、王を殺し、王妃を凌辱。王に世継ぎがいなかった為に、従兄弟のエイラ(フランク・スリング)が相続。ラグナーの子を身ごもった王妃は男児を生みますが、エイラに命を狙われるので神父の勧めで王剣の柄石を首飾りにして息子を手放します。それから十数年後、前王の忠臣だったエグバート(ジェームズ・ドナルド)をエイラは、ヴァイキングに内通する裏切者として追放。エグバードはラグナーに救われ、ヴァイキングの群れに加わります。

ヴァイキングの村では、鷹使いの奴隷エリック(トニー・カーティス)と、ラグナーの息子エイナー(カーク・ダグラス)が争いとなり、エリックの鷹がエイナーを攻撃。エリックは顔面を傷つけたばかりか、片目を失います。エグバードはエリックの首飾りをみて、イングランド王家の落胤と察知。ラグナーはエリックを水攻めの処刑をしますが、巫女の祈りで奇跡的に命が助かり、エグバードが身柄を引き取ります。

その頃、エイラ王はイングランドの連合を考え、ノーサンブリアのロドリ王の娘モーガナ(ジャネット・リー)との婚約を計画。しかし、モーガナはエイナーにさらわれます。連れられてきたモーガナを一目見た時からエリックはモーガナに惹かれ、泥酔しているエイナーの隙をついてモーガナを連れてイングランドへ脱出しますが……

異母兄弟がそれと知らずに争う因果話を、ヴァイキングイングランドの戦いを通して壮大に描いた作品。戦闘シーンの迫力だけでなく、ヴァイキングの村や風俗描写が楽しめます。カーク・ダグラスのプロダクションが製作に係わっているので、カーク・ダグラスがやたらと目立ちますな。宴席での美女の髪を的にした斧の投擲、獲物を持って帰港した時の船の両側に出ている櫂をわたり歩く場面、そしてクライマックスのイングランド攻撃。般若のごとき形相で鬼神のごとく暴れまわります。ラストのカーティスとの対決も、勝ちを譲った感じ。ジャネット・リーとの夫婦共演のカーティスは、ダグラスを目立たせるだけの存在にすぎません。

制作費の大部分が、ヴァイキング船やロケーションに投入されたため、テレビドラマ『バイキング』を制作して二次使用しています。ドラマ『バイキング』についてはココヘ⇒海賊は海の勇士 | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)

 

ベルモンド関連で

録画していた『大頭脳』(1969年/監督:ジェラール・ウーリー)を観る。NATOの秘密軍資金を狙う悪党たちを描いたアクションコメディです。

相棒のアナトール(アンドレ・ブールビル)の協力で刑務所を脱獄したアルトゥール(ジャン・ポール・ベルモンド)は、パリからブリュッセルへ列車で輸送されるNATOの秘密軍資金を狙っています。英国で列車強盗を成功させた伝説の犯罪者ブレイン(デヴィッド・ニーブン)もその資金を狙っており、マフィアのスキャナピエコ(イーライ・ウォラック)に協力要請。ところが、分け前のことから交渉は決裂。溺愛する妹ソフィア(シルヴィア・モンティ)がブレインに恋してしまったことから、スキャナピエコはブレインに一杯くわそうと考えます。アルトゥールもブレインも列車襲撃を計画通りに進めていき、アルトゥールたちが金袋奪取に成功。ところが列車の外に放り投げた金袋をブレイン一味が消防車に積んで逃走。しかし、警官隊にばけたスキャナピエコ一味が待ち構えていて横取りします。アルトゥールとブレインは金袋を追いかけますが……

バカ笑いするようなシーンはありませんが、ブールビルがベルモンドを脱獄させるのに、両方からトンネルを掘ってスレ違いになるとか、ニーブンが資金強奪計画を仲間に説明する動画とか、動画と現実の違いとか、クスクス笑えるシーンが盛りだくさん。大金が空を舞うラストシーンもグッド。ブールビルのおっとりノンビリタッチ、ベルモンドの軽快な動き、ニーブンのとぼけた味わい、ウォラックのアクの強さなど、キャラにあったコメディ演技で見せてくれま~す。

 

リオからカトマンズへ

録画していた『カトマンズの男』(1965年/監督:フィリプ・ド・ブロカ)を観る。殺し屋につけ狙われるジャン・ポール・ベルモンドが香港・ネパールと逃げ回るコミカルアクションです。

莫大な財産を持つアルデュール(ジャン・ポール・ベルモンド)は生きがいがなくて自殺を試みますが失敗ばかり。世界一周の旅に出て、香港に着いた時、株の大暴落で破産したと管財人から告げられます。これで自殺の名目ができたと喜ぶのですが、中国の友人ゴオ(ヴァレリー・インキジノフ)から「どうせ死ぬのなら有意義に死ね」と言われ、2百万ドルの生命保険をかけられ、殺されるように仕向けられます。生命保険の契約期間は1ヶ月。その直後から謎の二人組に尾行され、何者かに狙撃されます。港のバーに逃げ込み、アルバイトでストリッパーをやっているアレキサンドリーヌ(ウルスラ・アンドレス)に匿ってもらい、彼女に一目惚れ。そうなると命がおしくなり、契約を取り消してもらおうとゴオに会いに行くのですが、ゴオはネパールへ行って行方不明。アルデュールもゴオを捜しにネパールへ。二人組は保険会社の護衛とわかるのですが、保険金の半分をもらうことになっていた香港ギャングのフォリンスターは執拗にアルデュールを狙い……

ベルモンドは、『リオの男』と同様に軽快に動きまわってコミカルなアクションを見せてくれます。フィリプ・ド・ブロカの演出は、『リオの男』と比べると少し粗雑で、ゴタゴタした話の展開がスムーズでなくギクシャク。ウルスラ・アンドレスの魅力も出ていませ~ん。

 

懐かしの仏映画

録画していた『リオの男』(1963年/監督:フィリプ・ド・ブロカ)を観る。ジャン・ポール・ベルモンドが事件に巻き込まれた恋人を助けてブラジルで大暴れするコミカルアクションです。

航空兵アドリアンジャン・ポール・ベルモンド)は、2週間の休暇で恋人アニエスフランソワーズ・ドルレアック)に逢うためにパリにやってきます。その頃パリでは、守衛が殺され博物館からアマゾンの小像が盗まれるという事件が発生。小像の持ち主だった考古学者カタラン教授(ジャン・セルヴェ)も誘拐されます。小像は三つあって、アニエスの死んだ父親が一つを所持していたことから、アニエスが連れ去られるところを、来合わせたアドリアンが目撃。アニエスを連れた二人の男は、リオに行く飛行機に搭乗。アドリアンも気転をきかせて飛行機に乗り込み、後を追います。リオに着いたアドリアンは土地の少年の協力を得て、アニエスを救出。アニエスは父が隠していた小像を見つけますが二人組に奪われます。最後の一つはブラジリアにいる資産家カストロアドルフォ・チェリ)が所持しており、アドリアンとアニエスは首都ブラジリアへ向かいますが……

パリからリオデジャネイロへ、さらにブラジリアからアマゾンのジャングル地帯へと、ベルモンドは軽快な動きをみせて大活躍。逃げる、追いかけるの繰り返しという単純な構成ですが、ベルモンドとドルレアックのキャラによって可笑しみを誘う上質のコミカルアクションになっています。下ネタ・ギャグのような下品な笑いでないところは、さすがフランス映画で~す。

 

懐かしの東宝ノワール

録画していた『血とダイヤモンド』(1964年・東宝/監督:福田純)を観る。3億円のダイヤの原石をめぐるクライムアクション。

宇津木(田崎潤)をボスとするギャング団は税関から運び出される3億円相当のダイヤの原石を狙っていましたが、横合いから小柴(佐藤允)たち4人組がかっさらいます。逃げる際、小柴は護衛に撃たれて負傷。仲間の手代木(砂塚秀夫)とジロー(石立鉄男)が医者を捜しに行きます。ダイヤを独り占めしようとした仲間のひとり跡部藤木悠)を殴り倒し、小柴はダイヤを処分するために故買屋の崔(遠藤辰雄)に連絡。損害保険会社からの依頼でダイヤを運ぶ人物の身辺調査をしていた私立探偵の黒木(宝田明)は、レストランの店員・利恵(水野久美)がその情報をつかんでいたことに気づきます。黒木は損害保険会社にダイヤ奪還の報酬として7千万を要求。利恵に近づいた黒木は、5千万円で取引きしようと提案。崔は宇津木一味に捕まり、取引現場に表れたのは崔の子分で、小柴はふとしたことから子分を射殺。利恵と現場に駆けつけた黒木は、小柴に拳銃をつきつけられて隠れ家に連行されます。手代木とジローは秋津病院の娘・津奈子(中川ゆき)を人質にして外科医の秋津(志村喬)を拉致。ダイヤ強奪事件の捜査をしている児玉刑事(夏木陽介)は、秋津医師が病院に帰ってこないという情報を得て……

前半は小柴一味、宇津木一味、黒木と利恵の行動、そして警察の捜査活動が手際よく描かれ、快調なテンポで展開していたのですが、秋津医師が絡んでくる後半は間延びしたものになってきます。邦画の悪いクセで後半は情実部分が強くなって、登場人物がみな悪漢だった前半のハードボイルドの良さが帳消しになるんですね。作り方次第で上質なノワールアクションになっただけに残念。アイ・ジョージが主題歌を歌っているんですが、『決断の3時10分』の主題歌とメロディーラインが同じで~す。