シリーズなので

録画していた『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021年/監督:ジャスティン・リン)を観る。主人公のドミニクが弟と対決することになるカーアクション・シリーズ9作目です。

かつて強盗団を率いたドミニク(ヴィン・ディーゼル)は、妻レティ(ミシェル・ロドリゲス)や娘と田舎で静かに暮らしていましたが、彼らの恩人である秘密組織のミスター・ノーバディカート・ラッセル)の乗る飛行機が何者かに墜落させられ、仲間たちと現場に向かいます。ミスター・ノーバディは、世界中のコンピュータシステムを操ることができる装置“アリエス”が悪用されないように隠していましたが、それを奪おうとする組織が現れ……

敵組織の凄腕エージェントとして弟のジェイコブ(ジョン・シナ)が登場して次々に攻撃を仕掛けてきます。ジョン・シナはプロレスよりも俳優づいていますな。次回はロック(ドウェイン・ジョンソン)とWWE対決が見られるかな。宿敵サイファー(シャリーズ・セロン)も逃走し、次回も登場しそうです。シリーズを追うごとにアクションは派手になってきていますが、車に対するこだわりが薄れてきて、他のアトラクション映画と変わり映えがしなくなっています。車で宇宙へ飛び出すというのは、可笑しくてブッとび過ぎで~す。

画像は、ヴィン・ディーゼルジョン・シナ

 

週に一度は西部劇

録画保存していた『墓石と決闘』(1967年/監督:ジョン・スタージェス)は、“OKコラルの決闘”のその後を扱った最初の本格西部劇です。

OKコラルの決闘に参加せず生き残ったアイク・クラントン(ロバート・ライアン)は、勝ったワイアット・アープ(ジェームズ・ガーナー)たちを殺人罪で告訴しますが、裁判の結果アープたちは無罪。クラントンは手下に命じて、アープ兄弟のヴァージルを不具にし、モーガンを殺します。連邦保安官に任命されたアープは、法の名のもとに彼らを追跡し、制裁していくんですな。

列車の停車場で、駅馬車の駅停で、アリゾナの山中で、酒場で、牧場でと、クラントン一味を次々に倒していく趣向に工夫があって楽しめます。スタージェスの西部劇に共通するシネスコ画面を上手に使った構図の巧みさがこの作品にも出ており、西部劇特有の雰囲気がビンビン伝わってきますね。

冷酷に仇を殺していくアープに、ドク・ホリデイ(ジェースン・ロバーツ)が「お前も殺し屋と変わりない」と言うのは、世界の保安官としてこれまで大衆に信じられてきた正々堂々としたアメリカの正義に疑問が出てきた時代を反映しているような気がします。ラストは保安官バッジを外したアープがクラントンと1対1の決闘。史実とは異なりますが、決着のつけ方は真に西部劇。

ジョン・スタージェスは、『OK牧場の決斗』で正義の保安官ワイアット・アープを描きましたが、『墓石と決闘』に描かれるワイアット・アープは、復讐を法律の名で美化しようとする私怨の男となっています。当時のアメリカ人にとって、アープは正義を具現する理想の保安官像であっただけに、伝説よりも史実に近づけようとしたスタージェスの試みは失敗に終り、アメリカでの興行成績は惨憺たるものでした。

だけど作品的にみると、講談調の大味な『OK牧場の決斗』より、格段に優れていると思いますよ。それは冒頭の“OKコラルの決闘”のシーンを見ただけでわかります。緊張感がみなぎる構図の素晴しさと、わずか数十秒に凝縮された決闘の迫力。長々と射ち合った『OK牧場の決斗』より、はるかにインパクトがありますね。その後の決闘シーンにも演出的工夫がされており、スタージェスはこの作品で燃焼した感があります。『墓石と決闘』以後の作品には、さすがスタージェスと言わせるようなものがないんですよ。『墓石と決闘』はスタージェス頂点の作品といえますな。

画像は、サントラCDジャケット。音楽を担当したのは、ジェリー・ゴールドスミス。彼にとっては珍しい西部劇ですが、なかなか見事なスコアになっています。約5分もあるメインタイトルの曲がグッド。ティオムキンと比べると勇壮感はありませんが、決闘というドラマの音楽化に成功していると思いま~す。

 

本日も

録画していた海外ドラマ『私立探偵マグナム(シーズン3)』の第1話~3話を観る。ハワイを舞台に元海軍特殊部隊員のトーマス・マグナム(ジェイ・フェルナンデス)が、赤いフェラーリを乗りまわして事件を解決していく1話完結の犯罪アクション。トム・セレック主演で1980年から8シーズンも続いたハワイを舞台にした人気探偵ドラマのリブートです。日本でも部分的に放送されましたが海外ドラマ氷河期で私は未見。

前シーズンでマグナムの相棒となった元MI6の諜報員でマグナムが居候している屋敷の管理人でハッキングまで行う情報担当のヒギンス(パーディタ・ウィークス)の就業ビザがきれ、イギリスへ帰国しなければならないピンチになりましたが、屋敷のオーナーから屋敷を譲られ、ハワイに残ることができました。第3話では移民局で発生した人質事件をマグナムと一緒に解決し、米国永住権を取得。

戦友のヘリコプター・パイロットのTC(スティーヴン・ヒル)や元海軍射撃手のリック(ザカリー・ナイトン)、そしてハワイ警察の刑事カツモト(ティム・カン)などの協力を得て事件を解決していくのですが、風光明媚な風景の中、多彩な顔ぶれが集まるハワイならではの人間模様を、ユーモアと人情を加味して描いており、今シーズンも楽しめそうで~す。

ちなみに、シーズン4で打切りが決定したとのこと。

 

昨日に続き

録画していた海外ドラマ『イエローストーン』のシーズン3(全10回)を観了。現代のアメリカ西部を舞台にしたケヴィン・コスナー主演の現代西部劇ともいえる人間ドラマです。

ジョン・ダットン(ケヴィン・コスナー)は、イエローストーン公園に隣接するモンタナ州の大牧場主。シーズン1では、ジョンの土地の隣りに分譲住宅を造ろうとしているダン・ジェンキンスとの戦いと、レギュラー人物の紹介的エピソード。シーズン2は裏世界とも関係を持つカジノ経営者ベック兄弟との対決。シーズン3は、巨大投資会社のロアーク(ジョシュ・ホロウェイ)とエリス(ジョン・エメット・トレーシー)がダットンの土地に飛行場を誘致し、スキーリゾートを中心にした町作りを計画。

ジョンの娘ベス(ケリー・ライリー)は投資会社に土地を売る方がダットン家の経済(億万長者になる)において有利と考えていますが、ジョンの牧場を守るというかたい決意に同意して、彼らと経済的に対抗。ジョンは政治的に対抗するために、息子のジェイミー(ウェス・ベントリー)を司法長官に、ケイシー(ルーク・グライムス)を家畜協会の会長にします。

シーズン3ではジェイミーがジョンの実子でなく養子であったことがわかり、ベスがジェイミーを毛嫌いしていた理由も判明。ベスは牧童頭のリップ(コール・ハウザー)と結婚を決意。

ケイシーが牛泥棒を捕まえるエピソード、ケイシーの妻モニカ(ケルシー・アスビル)が囮となってインディアンの娘を乱暴して殺した犯人をつきとめるエピソード、悪質な挑発をするロアークに雇われた悪党をリップたちカウボーイが私刑するエピソードなど、西部劇さながらのアクション。シリーズ最終話はベスの事務所の爆破に続き、ケイシーもジョンも狙撃されるというクリフハンガーのラスト。シーズン4も目が離せませんねェ。

 

海外ドラマから

録画していた『スーパーガール(シーズン6)』を観了。全20話のファイナルシーズンで、前半はファントムゾーンに囚われたスーパーガール(メリッサ・ブノワ)と、彼女を救出するために活動する仲間たちの物語。後半は、一つになると全能の力を得ることができる7つ(希望・運命・誇り・愛・信頼・真実・勇気)のトーテムをめぐって、5次元魔女のニクスリーに、未来から帰ってきたレックス・ルーサーが加わっての争奪戦。

最終話ではこれまでのシリーズでレギュラーだった仲間・モン・エル(クリス・ウッド)、ジェレミー(ウィン・ショット)、ジミー(メカッド・ブルックス)が助っ人に現れ、嬉しい再登場です。映画で初代スーパーガールのヘレン・スレイター(スーパーガールの養母役)も登場。ニクスリー(ペータ・サージェント)とレックス(ジョン・クライヤー)は、最後に墓穴を掘ってファントムたちにファントムゾーンへ連れ去られます。ラストではスーパーガールの義姉アレックス(カイラ・リー)とジミーの妹ケリー(アジー・デスファイ)が結婚し、ブレイニー(ジェシー・ラス)は未来に帰らずニア(ニコール・アンバー・メインズ)と結婚する決意。キャット・コーのキャット・グラント(キャリスタ・フロックハート)が新聞社を買い戻し、スーパーガールに編集長になるように要請。カーラがスーパーガールであることを知っていたのね。カーラは自分がスーパーガールであることを公表する決意をしてエンドです。

『アロー』『フラッシュ』『スーパーガール』『レジェンド・オブ・トゥモロー』『バットウーマン』で構成するDCワールドも『アロー』が終了し、『スーパーガール』も終了。『レジェンド・オブ・トゥモロー』と『バットウーマン』も打切りが決まっているようで、何でもありのマルチアースの世界観に視聴者も飽きてきたようで~す。

 

昨日に続き

DVDで懐かしの時代劇『危うし!快傑黒頭巾』(1960年/監督:松村昌治)を観る。黒頭巾が拳銃を撃ちまくるシリーズ最終作です。

長州藩はゲーベル銃の密輸に成功するものの、弾薬は長崎から持ち出せないままの状態。黒頭巾(大友柳太朗)は坂本龍馬(加賀邦男)の頼みで弾薬を隠している勤皇浪士・榊原新之助(伏見扇太郎)を助けるために長崎にやってきます。真鍋与作と名乗った黒頭巾は岡っ引きのエンマの吉五郎(吉田義夫)と子分のホトケの三太(堺俊二)に追われている新之助を救け、新之助が弾薬を隠している曲芸一座の座長・曹自忠(近衛十四郎)や、彼の妹・麗花(丘さとみ)、新之助の恋人・李彩玉(中里阿里子)とその妹・彩生(松島トモ子)と知りあいます。弾薬の捜査と清国との密約のために長崎にきていた幕府の松平主税介(進藤英太郎)は、国辱的な密約に反対する新之助の父・長崎奉行を殺害。松平主税介から犯人は黒頭巾と教えられた新之助の妹・妙(桜町弘子)と弟・大次郎(風間杜夫)は黒頭巾を仇と狙いますが、新之助は与作から黒頭巾が犯人でないと知らされ信じます。麗花を見染めた清国高官・王徳順(三島雅夫)は、巡業に必要な通行許可証を餌に麗花を唐人屋敷に呼び寄せますが、黒頭巾が王徳順を斬って麗花を救出。松平主税介は曹自忠を捕えて黒頭巾をおびき寄せる囮にしようとしますが、曹自忠は自害します。弾薬と一座は坂本龍馬の船で長崎を脱出。しかし、麗花にフラれた一座の劉子明(本郷秀雄)が松平主税介に船の上陸場所を知らせたことから……

松島トモ子は出演しているものの、成長して娘役をしているので彼女が歌う主題歌はなくなり、与作が歌う歌は前作から大友柳太朗自身でなく吹替えになっています。松島トモ子の歌が上手いので、自分で歌うのをやめたとのこと。易者の天命堂に変装するものの、与作との一人二役の面白さはありません。クライマックスは、弾薬を積んだ幌馬車隊と幕府騎馬隊との銃撃戦。大友柳太朗の殺陣は殆どなく、寂しい限り。黒頭巾の正体が、薩摩藩士・山鹿弦一郎というのも取ってつけた感じで、最終作にしては出来ばえが今イチで~す。

 

懐古趣味時代劇

DVDで懐かしの時代劇『快傑黒頭巾』(1958年・東映/監督:松村昌治)を観る。大友柳太朗が主演した“快傑黒頭巾”は全部で9作あるのですが、最初の2作はフィルムがなくなっており、残り7作がDVDで観ることができます。今回観たのは第7作目。

長州藩士・宮部鉄之助(尾上鯉之助)は、幕府が入手した新式銃の設計図を奪おうとして失敗。黒頭巾(大友柳太朗)が幕府見廻り組頭領・間部主税助(山形勲)からその設計図を奪います。間部は黒頭巾討伐隊を組織。岡っ引きの赤鬼の権太(沢村宗之助)と子分の三次(星十郎)が、「快傑黒頭巾の歌」を歌っていた、早苗(大川恵子)・友之助(松島トモ子)・千代(植木千恵)の姉弟妹を捕えますが、黒頭巾が救出。黒頭巾は匿っていた宮部に設計図を持たせて益満休之助(加賀邦男)のいる薩摩屋敷に向かわせますが、途中で見廻り組に見つかり、斬られて設計図を奪われます。新式銃の製作には洋式数学が必要で、間部は数学者の山鹿士行(志村喬)と高弟の大槻東橘(永田靖)を捕縛。早苗・友之助・千代が大槻東橘の子どもということを間部に知られ、人質として伊豆・堂ヶ島の新式銃製造の秘密工場へ連れ去られます。お光(桜町弘子)の矢場で火傷男に変装して権太がもらした秘密工場の場所を聞いていた黒頭巾は、彼らを救出するために秘密工場の人夫に変装して潜入し……

この作品から、カラー・シネスコ版になります。オープニングで黒頭巾は、富士山に向かって深々と頭を下げて挨拶。よい子の味方は礼儀正しいのです。江戸に現れた黒頭巾は、演歌師の与作と易者の天命堂に変装し、一人二役で百軒長屋に暮らしています。隣に住むのが早苗・友之助・千代の姉弟妹。与作に惚れている間部の密偵おぎん(長谷川裕見子)に見破られないように苦心惨憺。早苗やお光も与作に恋しているものだから、おぎんは執拗に与作を追いかけます。それで、与作が黒頭巾だと最後にバレちゃうんですけどね。間部配下の髭面武士・秘密工場を取りしきる弥兵衛(沢村国太郎)の手下の片目の海賊・そして仮面をつけた弥兵衛に変装して間部を倒し、秘密工場を爆破。最後の大立ち回りは、大友柳太朗らしいダイナミックな殺陣になっていま~す。