月に一度は西部劇

西部劇DVDの『エルパソ・キッド』(1948年/監督:リー・ジェイソン)を観る。無法者として生きる男が愛する妻のために改心するという未公開作品です。
エルパソ・キッドことトビー・シムス(ジェームズ・クレイグ)は駅馬車や列車を襲う強盗団の首領。妻のジー(リン・バリ)が愛想をつかして家を出ようとするのを知ってトビーは、名前を変えて堅気になろうとします。商売がうまくいかず、駅馬車を襲撃。大金を積んでいる馬車は、別の駅馬車で襲撃は失敗。トビーに懸けられた賞金を目当てに仲間が裏切り、トビーは逮捕されます。裏切り者の仲間が、トビーが護送されていることも知らずに列車を襲い、トビーは負傷した保安官に代わって撃退。その功績によって減刑され、1年ほどで出所し、堅気になって妻と仲良く暮らすところでエンド。
借金で苦しむ未亡人を助ける話が出てきたりして、モデルはジェシー・ジェームズですな。 “悪事はすれど、非道はせず”の主人公は、殺されることなく改心してハッピーエンドというのは4~50年代のB級西部劇の定番。どこにも取り柄のない作品ですが、気楽に楽しめま~す。

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今週のテレビ

日曜日はCDを聴きながら今週のテレビ番組チェックの日。とはいっても、映画と時代劇だけなんですけどね。
BSプレミアム22日(月)の『華麗なる激情』と、BS日テレ26日(金)の『竜馬を斬った男』が注目。『華麗なる激情』(1969年/監督:キャロル・リード)は、ミケランジェロチャールトン・ヘストン)が法王ユリウス二世(レックス・ハリソン)の要望でバチカンにあるシスティーナ礼拝堂の天井を飾るフレスコ画を描く物語。イタリア旅行した時に、以前洋画劇場で観たこの作品を思い出し、再見したいと思っていたんですよ。
『竜馬を斬った男』(1987年/監督:山下耕作)は、京都見廻組頭・佐々木只三郎萩原健一)の半生を描いた物語。ショーケンの演技が見事で、歴史好きや時代劇ファンにお薦め。『竜馬を斬った男』は、ココヘ⇒https://nostalji.hatenablog.com/entry/20111014

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BSプレミアムの金曜時代劇の枠で、今週から『蛍草・菜々の剣』が始まります。原作は葉室麟。オーソドックスな時代劇が期待できます。主演の清原果耶は、『精霊の守り人』で主人公(綾瀬はるか)の少女時代を演じており、その時見せた立回りが印象に残っていて、演技だけでなく、どんな殺陣を見せてくれるか楽しみです。
『不滅の恋人』の後番組として韓国時代劇『100日の郎君様』が今日から放送開始。朝廷の陰謀によって記憶をなくした世子(ド・ギョンス)と庶民の娘(ナム・ジヒョン)の恋物語とのこと。最近主流になっているフィクション時代劇のようで~す。

主題歌は知っていたが

録画していた未見の映画『黒いオルフェ』(1959年/監督:マルセル・カミユ)を観る。リオのカーニバルを背景にギリシャ神話のオルフェとユリディスの愛を寓話的に描いた名作です。
ユリディス(マルペッサ・ドーン)は、従姉妹のセラフィーナ(レア・ガルシア)を訪ねてカーニバルを明日にひかえたリオにやってきます。市電の運転手オルフェ(ブレノ・メロ)は歌と踊りが上手くて皆の人気者。オルフェにはミラ(ルールディス・オリヴェイラ)という婚約者がいますが、身勝手な彼女と結婚する気がおきません。そんな時、自分が運転する市電に乗っていたユリディスが、隣家のセラフィーナのところにやってきたことからオルフェはユリディスに惹かれはじめるのね。ユリディスも子供たちギターで歌って聴かせるオルフェに惹かれ、愛しあうようになります。しかし、ユリディスの前に死の仮面をつけた男が現れ……
年に一度の祭りのために1年間働くという人々の熱狂が、鮮やかなカラーと強烈なサンバのリズムがあふれる映像の隅々から伝わってきます。その熱気と狂躁に、死を超越して永遠の愛に結ばれるオルフェとユリディスのギリシャ神話が不思議なほどマッチ。登場人物全てが現地人(それも素人)なのが異色であるとともに効果的です。演技力は二の次で雰囲気優先だったのでしょう。セリフはフランス語吹替えになっていますけどね。オルフェ役のブレノ・メロはサッカー選手だったとのこと。軽快な足さばきでサンバのステップを踏んでいましたよ。
アントニオ・カルロス・ジョビンルイス・ボンファが音楽を担当しており、ボンファの「カーニバルの朝」(オルフェの歌として有名)は世界中の歌手や楽団がカバーしており、『黒いオルフェ』といえばこの曲になります。主題歌だと思っていたのですが、実はオルフェがギターを弾いて歌う挿入歌だったので~す。

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続編でなく

録画していた『キング・オブ・ギャングスター2』(2017年/監督:ザッカリー・アドラー)を観る。前作冒頭で殺された3人のギャングを扱った前日譚というべき英国ギャング映画です。
1988年、英国エセックス州で“サウスエンド”のスカーフェースと呼ばれたパット・テイト(クレイグ・フェアブラス)は、麻薬の密売に奔走し、コカインを享受する生活を送っています。邪魔者は容赦なく潰し、縄張りを広げますが麻薬密売人のロルフ(ローランド・マヌーキアン)に裏切られて刑務所へ。身体を鍛えあげ、刑務所内の実力者として君臨します。出所したパットは、トニー(テリー・ストーン)たちを仲間にして、ロルフに復讐。エセックスの麻薬を仕切りますが、ロルフの背後に組織がいたことから……
パットは、それいけドンドンの武闘派ヤクザ。手におえなくなって組織に殺されたということですかな。前作よりバイオレンス度はアップしていますが、それだけね。演出的にも見るべきところがないのは前作と同じ。こんな映画を観ていると、『仁義なき戦い』の素晴らしさに改めて気づかされま~す。

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怪獣の次はギャング

録画していた『キング・オブ・ギャングスター』(2015年/監督:リッチ・ハーネット)を観る。実在のギャングを扱った英国ギャング映画です。
1995年12月6日に英国エセックス州で3人のギャングが殺害されてから2年後、3人の友人だったカールトン・リーチ(リッチ・ハーネット)は自分も殺されるのではないかという恐怖からクスリ漬けの毎日を送っています。ドラッグの過剰摂取で危うく死にかけたリーチは、昔なじみのボクシング・ジムで身体を鍛えなおし、再び暴力団を結成。裏社会で台頭していきますが巨大組織ににらまれ……
酒場からみかじめ料を取ったり、借金の回収をしたりと、やっていることは日本の暴力団と同じ。警察には頼めず、裏で解決しようとする連中が彼らを利用するんですな。裏社会にも秩序があって、それをはみ出すと組織から狙われることになります。普通なら冒頭で友人を殺した組織との対決があるんでしょうが、実話なので犯人はわからないまま。組織の中で生きるような終わり方は、何じゃコリャです。演出的にも見るべきところはなく、退屈な作品で~す。

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バチモン映画

録画していた『ロード・オブ・モンスターズ』(2019年/監督:マーク・アトキンス)を観る。地球を破壊する怪獣と地球を守る怪獣が激突する劇場未公開のモンスターパニック映画です。
深海にある鉱物資源採掘のため、ケルマディック海溝を調査していた無人探査機からの画像が途絶えたとのシェリーズ(ドナ・コーマック・トマソン)とライリー(クリス・フィッシャー)から報告を受けたフォード(エイドリアン・ボウチェット)は、探査機回収のため現地に向かいます。違法採掘を監視する国際海底機構のサラ(ナタリー・ボビー)もフォードの深海潜水艇に乗り込み探査機を探していると、巨大な怪獣が出現。海軍の支援を受けて怪獣の襲撃を切り抜けますが、怪獣はマグマをエネルギー源とし、火山を求めて陸地を目指します。怪獣の前に軍隊は役に立たず、残された手段は、神話地政学の権威レナ(マーゴット・ウッド)が提案した怪獣の天敵であるもう一頭の大怪獣“生きた山”を蘇らせて戦わせること。5人は、“生きた山”が眠る怪獣島へ向かいますが……
低予算B級映画なので。登場人物は少なく、上記の5人以外は海軍提督(エリック・ロバーツ)だけ。フォードと提督との交信だけで物語は進んでいきます。舞台は海と無人島なのでエキストラの必要なし。軍隊と怪獣の大バトルもありません。神話地政学の権威によると怪獣の名前はテング。かつて津波や火山の爆発で滅んだとされる町は、テングの仕業だったんだってさ。テングの造形は、ヒトデ型で、血はマグマでできていて、傷ついてもマグマで傷口が塞がるのね。産卵時には大量の卵を空に向かって噴出。卵からかえった幼虫はラドンのように空を飛びます。“生きた山”はゴーレムのような岩の塊で、口から怪光線を発射。テングの幼虫の血により蘇ります。全幼虫テングが“生きた山”に襲いかかりますが、怪光線によって全滅。親テングの頭から翼が生え、怪獣島で親テングと“生きた山”の大バトルです。登場人物が全員モンスターと言わず、“カイジュウ”と言っていましたが、巨大生物=カイジュウが国際用語になったみたいです。国際スター・ゴジラの影響は大きいなァ。

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時代劇ということで

昨夜は『永遠のニシパ』を観る。NHK札幌が北海道150年記念ドラマとして製作した、“北海道”の名付け親・松浦武四郎の半生を描いた歴史ドラマです。
蝦夷地がロシアに脅かされていると知った松浦武四郎松本潤)は、蝦夷地の調査を決意します。新藤屋(石倉三郎)の手代ということで松前藩の手形を手に入れ、アイヌのウテルク(木村彰吾)を道案内に内陸部へ。松前藩によってアイヌは虐げられており、人口が激減していることを知ります。ウテルクの部落でウテルクの父親(宇梶剛士)や義妹リセ(深田恭子)と知りあい、アイヌ文化やアイヌの人々の優しさに共感。江戸に戻った武四郎は、蝦夷地図を刊行し、アイヌ松前藩によって搾取されている実態を告発します。松前藩家老(西村まさ彦)は武四郎へ刺客を放ちますが、老中・阿部正弘筧利夫)の知ることとなり、蝦夷地は幕府直轄に……
この手のドラマは、事実中心のドキュメンタリー・タッチにするか、事実を基にしたフィクションにするかなんですが、どっちつかずの中途半端なものになっています。ドラマのテーマも滅びゆく民族アイヌの悲劇にするのか、松浦武四郎の偉業にするのかもどっちつかずになっており、これまた中途半端。そのため、観終えて何も残りません。北海道150年記念というだけで製作意図が明確じゃなかったような気がします。それにしても深田恭子アイヌ娘は、オードリー・ヘップバーンのインディアン娘と同じくらい似合っていませ~ん。

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