録画したものの再生することなく保存したままだった『ジャンゴ繋がれざる者』(2012年/監督:クエンティン・タランティーノ)を観る。スクリーンで観て以来の再見。
賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、狙う獲物ブリトル3兄弟の顔を知っているジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を奴隷商人から助け出して相棒にします。ブリトル3兄弟がいるビッグ・ダディ(ドン・ジョンソン)の農園に行き、奴隷を痛めつけているブリトル3兄弟を殺害。黒人嫌いのビッグ・ダディがKKK団のごとく二人を追いますが、荷馬車に仕掛けた爆弾で一味を粉砕。そして、ジャンゴはシュルツから銃の手ほどきなどを受け、立派な賞金稼ぎになります。売られた妻ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を買い戻すためにシュルツと大農園主のカルビン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)の屋敷を訪れますが……
上映時間165分は長いけど、さすがタランティーノでユーモアを交えて最後まで退屈させません。だけど、2時間程度で収まる内容です。『続・荒野の用心棒』の主題歌(ロッキー・ロバーツが歌う英語盤で、ベルト・フィアが歌う伊語盤でなかったのが残念)に赤いロゴのクレジットというオープニングはまさにマカロニ西部劇。ぬかるみの町も『続・荒野の用心棒』の世界。二人が最初に入る町の酒場の名はミネソタ・クレイ(『ミネソタ無頼』の主人公の名)。黒人女を鞭打とうしている悪党がジャンゴの最初に相手というのも『続・荒野の用心棒』です。ジャンゴが拳銃の練習するときに流れる曲が『怒りの荒野』で、雪の荒野は『殺しが静かにやって来る』ね。ジャンゴとインバネスコートをはおるフランコ・ネロとの会話にニンマリ。だけど、マカロニを意識していたのはここまでで、キャンディの屋敷に行ってからは映画のトーンががらりと変わります。ディカプリオとヴァルツと執事役のサミュエル・L・ジャクソンによる会話を楽しむ世界になるんですな。アカデミー助演男優賞をとったヴァルツの自然な演技に対して、ディカプリオとジャクソンの臭いこと。ジェイミー・フォックスは蚊帳の外ね。クライマックスは、三隅研次の『子連れ狼』のごとく血みどろ銃撃戦。ジャンゴの最後の対決相手は、やっぱりサミュエル・L・ジャクソン大佐。
奴隷問題をテーマにしたので、ブラックスプロイテーション映画ファンも楽しめるようになっています。例えば、ジャンゴの妻の名がブルームヒルダ・フォン・シャフトで、シャフトは『黒いジャガー』の主人公の名。アメリカの恥である奴隷制度を描くのに、従来の西部劇では無理があるので、自分の好きなマカロニ西部劇の形を借りて描いたのでしょうが、私としてはハチャメチャなマカロニ西部劇にして欲しかったです。ドン・ジョンソンが率いる赤い覆面をした一団に襲われたジャンゴが馬車に隠していた機関銃で皆殺しにしたり、白い服装をしたディカプリオが首を傾むけて鞭をふるったり、捕まったジャンゴが首だけ出して地中に埋められ太陽に焼かれる拷問を受けるとかね。
最初観た時には気づかなかったのですが、ブルース・ダーンとラス・タンブリンが顔をみせていま~す。
