お気に入り女優なので

録画していた『リボルバー・リリー』(2023年/監督:行定勲)を観る。綾瀬はるか主演のアクション映画です。

大正末期、かつては“リボルバー・リリー”と呼ばれた凄腕の諜報員・小曾根百合(綾瀬はるか)は、東京・花街の銘酒屋の主人として静かに暮らしていましたが、かつての仲間だった国松(石橋蓮司)が一家斬殺の犯人として殺されたことを知ります。事実を知るために事件現場の秩父へ向かう列車の中で、一家の生き残りである細見慎太(羽村仁成)と遭遇。慎太は父親から託された機密書類を持っており、陸軍に追われています。慎太を助けて列車から逃れた百合は、慎太が自分を訪ねる途中だったことを知りますが、慎太の父親の名前に記憶がありません。百合は親友の弁護士・岩見(長谷川博己)に慎太の父・細見(豊川悦司)について調査を依頼。細見は陸軍資金を運用して莫大な利益をあげ、上海の銀行に預けていることがわかります。その金を引き出すには慎太の指紋と暗証番号が必要で……

古川琴音、シシド・カフカ清水尋也ジェシーといった若手俳優と、佐藤二朗吹越満板尾創路橋爪功阿部サダヲ野村萬斎豊川悦司といったベテランをバランスよくキャスティングしたA級作品。綾瀬はるかは魅力的だし、物語展開も悪くないのですが、気になったのが主人公の年齢設定。原作を読んでいないので思ったままで言うと、細見は死んだと思われていた百合の夫で、細見の息子・慎太は12歳くらいなので、綾瀬はるかの実年齢を基にすると20代前半で凄腕の諜報員として活躍したことになります。それとも慎太は6歳くらいの年齢設定だったのでしょうか。それと、クライマックスのアクションがムチャクチャ。陸軍特殊部隊との戦いだけにしておけばいいものを、陸軍総出とはね。はっきり言ってシラケました。

水上温泉でゆったりしてきますので、明日の日記はお休み。

Vシネマでなく

録画していた『ランサム』(2023年/監督:室賀厚)を観る。裏社会のボスの娘の誘拐事件をめぐるバイオレンスアクション。

裏社会のボス・金山(小沢仁志)に恨みを持つ5人の男が金山の娘・由実(吉田玲)を誘拐。金山に1億円の身代金(ランサム)を要求。由実は逃げ出そうとして殺されかけますが、誘拐犯のひとりイ・ソジュン(ユン・ソンモ)が助けます。5人組は、実行計画者、誘拐のプロ、ハッカー、自動車泥棒、武器調達係と、その道のプロ。身代金奪取は成功しますが、金山一味や悪徳刑事が5人組のアジトに迫り……

クライマックスは無理やりバイオレンスの銃撃戦ですが、B級作品にしては悪くない出来です。ユン・ソンモは有名らしいのですが、知っている俳優は小沢仁志だけ。後はテレビでも映画でも見たことのない役者ばかり。それが逆に新鮮でしたね。

 

週に一度は西部劇

録画保存していた『赤い河』(1948年/監督:ハワード・ホークス)を再見。西部劇ベストテンには必ず名前があがる作品。

牧場開拓のために幌馬車隊と別れて相棒グルート(ウォルター・ブレナン)と赤い河へとやってきたダンスン(ジョン・ウェイン)は、幌馬車隊がインディアンに襲われて恋人フェン(コリーン・グレイ)が殺されたことを知ります。二人は生き残った少年マット・ガースを連れて牧草地にたどりつき、牧場開発。14年の歳月が流れ、大牧場主となったダンスンは成長したガース(モンゴメリー・クリフト)を副隊長にして1万頭の牛をミズーリに運ぶキャトルドライブを開始。旅は過酷で、牧童たちを容赦しないダンスンに不穏な空気が充満。赤い河を渡ったところで、ダンスンが脱走を企てた二人を縛り首にしようとしたため、見かねたガースがこれを阻止。牧童たちはガースを支持し、目的地を鉄道が開通したアビリーンに変え、ダンスンを置き去りにします。ガースたちはダンスンの影に脅えながら旅を続け、途中でインディアンに襲われている幌馬車隊を救出。ガースは幌馬車隊のミレー(ジョーン・ドルー)と愛しあうようになります。アビリーンで牛は高く売れますが、ダンスンが現れ、ガースと大格闘。泣き叫ぶミレーが拳銃を発砲しながら二人の愚かさを訴えたとき、二人は目を覚まします。

撃ちあい、牛のスタンピード、インディアンの襲撃、キャンプの団らん、牛の渡河、鉄道との出会い、そして決闘といった西部劇の要素を洩れなく織り込み、ガースとダンスンの交情と断絶を軸にした人間ドラマになっています。ダンスンには幌馬車を離れたことで恋人を見殺しにしたというトラウマを抱えており、それがダンスンの性格を頑なものにしているんですな。ミレーの哀願にダンスンは恋人フェンとの別れを重ね合わせ、ガースに昔の自分を想い起した感じ。当初のシナリオでは力による支配と新しい秩序の対決をテーマにし、ラストではガースが撃ちあいでダンスンを殺すことになっていたようです。しかし、ホークスはこのラストが気に入らず、ハッピーエンドにするために恋人との別れの導入部をつけ加えたとのこと。ジョン・ウェインの好演を見て、ジョン・フォードは「あの野郎(ウェイン)に芝居ができるなんて知らなかった」と語ったのは有名な話。ウェインはフォードの『黄色いリボン』でも見事な老け役を見せていますが、私が好きなのは『赤い河』です。初老となったウェインの『マクリントック』や『100万ドルの血斗』を見ていると、『赤い河』のダンスンを感じさせますねェ。

アビリーンで牛を買う商人役でハリー・ケリーが出演しており、牧童役のジュニアとの最初で最後の親子共演。拳銃のうまい流れ者カウボーイのジョン・アイアランドや、ダンスンとガースのお守役的なウォルター・ブレナンが物語に厚みを加えていま~す。

 

たまにはファンタジー

録画していた『アラビアンナイト 三千年の願い』(2022年/監督:ジョージ・ミラー)を観る。「アラビアンナイト」をモチーフにしたファンタジー

ナラトロジー物語論)の専門家アリシアティルダ・スウィントン)は、講演で訪れたトルコで美しいビンを手に入れます。ホテルでビンを開けると魔人(イドリス・エルバ)が出現。魔人はお礼に三つの願いをかなえようと言いますが、古今東西の物語に精通するアリシアは願いごとの物語が殆ど悲劇に終わることから簡単に口にしようとはしません。願いをかなえなければ自由になれない魔人は、彼女の考えを変えようと3千年にもおよぶ自身の物語を語りはじめますが……

ソロモンとシバの女王やスレイマンとムスタファなどに魔人は絡んだのですが、三つまで願いをかなえることができなくて、自身も願い人も不幸になったので、三つ願いをかなえると幸福になると魔人は話すんですな。最後の方は哲学的な内容になり、ジョージ・ミラーは独特の映像美で描いていま~す。

 

同じハイジでも

録画していた『マッド・ハイジ』(2022年/監督:ヨハネス・ハートマン)を観る。『アルプスの少女ハイジ』を大胆にアレンジしたバイオレンスアクション。

スイスを支配する大統領マイリ(キャスパー・ヴァン・ディーン)は、自ら社長を務める企業以外のチーズ製品を禁じる法律を制定し、恐怖の独裁者として君臨。ハイジ(アリス・ルーシー)の恋人で山羊飼いのペーターがチーズの密売でマイリの軍隊に殺され、祖父のアルムおんじの家が焼かれます。反逆者の矯正施設に送られたハイジはクララと親友になり、マイリへの復讐を誓いますが……

矯正施設の所長の名がロッテンマイヤーとは、やっぱり嫌われ者なんだ。所長を殺して脱走したハイジは、何じゃコリャというような不思議な女武術家に救われてチャンバラ訓練。日本アニメへのリスペクトかなァ。下ネタギャグにスプラッターアクションと、“何じゃコリャ”の連続で、好みの分かれる作品で~す。

 

名作だけど

アルプスの少女ハイジ”は、題名だけは知っていてもどんな物語か知らなかったので実写スイス映画『ハイジ アルプスの物語』(2015年/監督:アラン・グスボーナー)を観る。

両親を早くに亡くした少女ハイジは、デーテ叔母からアルプスの山に暮らすアルムおんじに預けられます。アルムおんじは村人からは好かれていない人嫌いの頑固者。ハイジはそんなおんじとすぐに打ち解け、近くに住む羊飼いの少年ペーターとも仲良くなります。アルプスでの日々を心から楽しんでいたハイジですが、デーテ叔母さんがフランクフルトへ連れ去り、大富豪のゼーゼマン家のお嬢様クララの話し相手としてお屋敷暮らし。クララは母親を亡くしたショックから病気になり、歩けなくなって車いす生活。明るく素直なハイジに励まされ、クララは元気になっていきます。ハイジは教育係のロッテンマイヤーから行儀を厳しくしつけられますが、執事のセバスチャンやクララの祖母が味方。ハイジはクララとの友情を深めていきますが、おんじが待つアルプスへ帰りたい気持ちも強くなっていきます。そんな時、幽霊騒ぎが発生。ハイジが夢遊病になって夜中に歩いていたんです。医者はハイジがホームシックに罹っていると診断。ゼーゼマンはハイジをアルプスへ帰します。ハイジはアルプスの生活をクララに手紙で知らせ、祖母に連れられてアルプスにやってきたクララと再会。ハイジとクララが仲良くしているのを嫉妬したペーターがクララの車いすを壊します。ペーターは自分のしたことを後悔。自然豊かなアルプスの中で、クララはハイジとペーターに助けられて自ら立ち上がります。父と祖母が迎えに来て、支えられながらも歩くことができるようになったクララとハイジは再会を約束して別れます。

なぜ学ぶことが必要なのか、なぜ人を思いやることが大切なのかを子供たちに教える作品。映画で知るハイジの物語でした。でもって、私が知っている俳優は、アルムおんじ役のブルーノ・ガンツだけ。ハイジ役のアヌーク・シュテフェンは宮崎あおいを子役にした感じで、成長した姿を見てみたいで~す。

 

懐かしの戦争アクション

録画したままだった『戦略大作戦』(1970年/監督:ブライアン・G・ハットン)を観る。極道者ばかりの小隊が金塊強奪を狙う戦争アクション。

第二次世界大戦末期、フランス前線でドイツ軍との抗戦中の米軍分隊のケリー(クリント・イーストウッド)は、捕虜にした敵の大佐から1600万ドル相当の金の延べ棒がドイツ軍占領下の銀行に保管されていることを知ります。3日間の休暇が与えられ、この機に金掠奪を考えたケリーは、兵器類調達のクラップ(ドン・リックルズ)、戦車部隊の隊長オッドボール(ドナルド・サザーランド)を仲間に加え、反対する曹長のビッグ・ジョー(テリー・サバラス)を説得。金を目ざして進撃を開始したケリーの部隊は奇襲作戦を順調に進め、敵地深く潜入。別ルートで進撃してきたオッドボールの戦車とも合流して金のあるクレルモンの町へ。ドイツ軍戦線を突破するケリーたちの活躍を無線で知ったにコルト将軍(キャロル・オコーナー)は有頂天になって自らもクレルモンの町に乗り込むことにします。タイガー戦車三台に守られた町の防備を、ケリーたちは巧みな作戦により撃破。残ったタイガーの指揮官を説得し、将軍が町に凱旋してくる前に銀行から金の延べ棒を運び出すことに成功。

腕は確かだが、厚顔無恥の連中が集まって愛国心などそっちのけで金塊争奪。戦争を皮肉ったブラックコメディになっています。ドナルド・サザーランドが圧倒的存在感を持っており、軍規を重視するテリー・サバラスが意外な可笑しさを出しています。それに、最近まで傍役人生一筋に活躍したハリー・ディーン・スタントンや、川谷拓三のような泣き笑いの表情を見せるスチュアート・マーゴリンなど個性的な傍役がいっぱい。イーストウッドは影が薄い存在で不満だったでしょうね。

音楽はラロ・シフリン。軽快なテーマ曲の他に、イーストウッド・サザーランド・サバラスが横並びに戦車に向かって歩を進めるシーンにマカロニ風の音楽が流れるのはモリコーネのパロディ。

傑作とはいえませんが、愉快な戦争アクションとして楽しめま~す。