予想通りC級

録画していた『エレベーション絶滅ライン』(2024年/監督:ジョージ・ノルフィ)を観る。謎の怪物の出現により人類が標高2500メートル以上の山岳地帯で暮らす世界で、病気の息子を救うために闘う男を描いたサバイバル・ホラー。

コロラド州、地中から現れた謎のモンスターに人類の95%は殺され、生存者たちはモンスターが入ることができない標高2500メートル以上の高地で暮らしています。元特殊部隊員だったウィル(アンソニー・マッキー)の息子は喘息の持病を持ち、薬が必要。その薬がなくなり、ウィルは最も近い町まで薬を探しに行くことを決意。友人のケイティ(マディ・ハッソン)とモンスターの研究をしているニーナ(モリーナ・バッカン)が同行。スキー場のリフト、元炭鉱のトンネル、廃墟と化した病院、かつてニーナが働いて研究施設でモンスターに襲われ……

主要登場人物は3人だけで、襲ってくるモンスターも一匹だけという低予算映画。モンスターは人間を食料にするわけでなく殺すだけ。人間の吐き出す息で居場所を感知します。状況設定だけを面白くしただけで、モンスターの正体や目的はかなりいい加減です。所詮、C級映画ですな。

 

続いて

録画していた『組織暴力・兄弟盃』(1969年・東映/監督:佐藤純彌)を観る。終戦後、実在した銀座警察を基にしたヤクザ映画。

終戦直後の銀座、復員してきた木島(菅原文太)は、戸川組のヤクザから伸子(野添ひとみ)という娘を救ったことで、特攻くずれの大場(安藤昇)と知りあいます。どうせ捨てた命と、二人は仲間を集め、戸川(寺島達夫)を倒し銀座を支配。名門・大門一家の親分(嵐寛寿郎)に銀座の縄張を認めさせます。戦友の津ケ谷(待田京介)と出会った木島は、米軍の慰安婦になっている津ケ谷の妻を救いに行って、伸子と再会。米兵を大ケガさせたことで木島は逮捕されます。3年後に木島は出所。大場組は、“銀座警察”と呼ばれる暴力組織になっています。大門一家の武上(渡辺文雄)が銀座に進出してきたことから、木島が事務所に乗り込みチンピラに刺されて負傷。大門は落とし前として武上に指を詰めさせます。武上は大門を殺し、大場のせいにして大門組を相続。大場組と大門組は一触即発の状況となり、右翼の大物・加納(内田朝雄)が仲裁。抗争は治まったかにみえましたが、加納が黒幕の8億円の不正融資を大場が知ったことから、加納の手先・松木組が大場組を襲撃。津ケ谷が木島を庇って死に、木島が松木(名和宏)を殺します。加納は大場に1億円で手打ちを要請し、大場はそれを承諾。しかし、木島がそれに反対したことから、加納と結託した武上が木島を襲い……

最後は皆死んでいき、加納だけが生き残るという後味の悪い作品。現代暴力の実態と、汚職まみれの経済社会の裏側をするどく描きたかったのでしょうが、巨大権力には勝てないというのはシリアスであっても面白くありませ~ん。

 

毛色が少し違うが

録画していた『暴力街』(1974年・東映/監督:五社英雄)を観る。東京進出を図る関西のヤクザ組織とそれを阻止しようとする関東のヤクザ組織の間で対立する男の物語。

元関東東菊会の幹部・江川(安藤昇)は、出所後引退して餞別代わりにもらった銀座のクラブを経営。関西の西日本連合が全国制覇の拠点として東京へ進出。東菊会の会長・剛原(高田繁司)は、銀座の縄張を守るために、江川のクラブ買収を矢崎(小林旭)に命令。矢崎の要請を江川は拒否。江川の子分だった望月(室田日出夫)や浜(夏八木勲)は組の再建を考えており、チンピラたちを集めて、西日本連合の仕業に見せかけて、東菊会が経営する芸能社のアイドル歌手を誘拐。東菊会から1億円を脅し取ることに成功しますが、誘拐が望月の仕業とわかり、望月は東菊会に殺されます。西日本連合が差し向けた殺し屋(山本昌平とマダム・ジョイ)が江川と浜を襲撃。返り討ちにしますが、浜が力つきて死亡。江川は配下の無惨な死に様を見て、キザゴロの辰(菅原文太)から銃器を調達。江川と辰は東菊会の事務所に殴り込みますが、銃撃戦の結果、二人は逃走。江川は昔の恋人・裕子(赤座美代子)に助けられます。しかし、裕子が殺され、剛原の屋敷に乗り込んで剛原を殺害。一方、矢崎は江川の情婦・晃子(川村真樹)のアパートへ行き、江川が養鶏所に身を隠していることを察知。東菊会の会長となった諸木(小池朝雄)は西日本連合の会長・島村(丹波哲郎)と手打ち。江川と矢崎が対決している養鶏所を、東菊会と西日本連合の一団が取り囲み……

『出所祝い』に続く、五社英雄のヤクザ映画2作目。昔気質のヤクザが器用に生きられず、死んでいくだけの作品ですが、アキラと安藤の養鶏所での銃撃戦、大格闘は迫力満点。暴力描写にも工夫が凝らしてあり、五社ワールドが展開します。モダンでスタイリッシュなんですが、内容的にはう~ん。菅原文太と丹波哲郎は特別出演的に顔を見せるだけで~す。

 

冬ではないが

哀愁あふれる美しいトランペットの音色で私がファンになったのはニニ・ロッソ。イタリアの映画音楽界では有名なアルマンド・トロヴァヨーリに見出されたニニ・ロッソは、1965年の「夜空のトランペット」の大ヒットで日本でも人気となり、毎年冬に来日して日本での人気を不動のものにしました。20~30代の時は、夏のベンチャーズ、冬のニニ・ロッソがライブに行く私の定番。といっても、出かけたのは、どちらも3回ほどですけどね。ニニ・ロッソ愛用の小型トランペット・カンタービレは日本製なんですよ。マカロニ西部劇『荒野のリトル・リタ』でカンタービレを演奏しています。

LP4枚の中から、ヒット曲を収録したLPから私の好きな曲を24曲、ロシア民謡・日本抒情歌のLPから23曲を2枚の80分CDにダビング。

 

たまには私家盤CD作成

暑い時に聴く音楽はエレキ。レコード集めはベンチャーズからスプートニクスときて最後は寺内タケシ。ベンチャーズと寺内タケシはCDにダビングしていたんですが、スプートニクスは何故か忘れていました。私が最初に聴いたスプートニクス曲は、ラジオの深夜放送での「霧のカレリア」。同じ頃、フィーネーズの「哀愁のカレリア」がラジオから流れてきた時はビックリ。スプートニクスがスウェーデンのバンドで、フィーネーズはフィンランドのバンドと紹介されていましたが、ソックリな演奏。後でわかったのですが、「哀愁のカレリア」はスプートニクスが無名だった頃、フィンランド・フィリップスで収録したものでした。メンバーの一部に変更があっても、酷似していたのは当り前ね。

スプートニクスのサウンドが確立するのは、「空の終列車」からはじまる一連の宇宙サウンド。澄み切った空と満点の星が想い浮かび、透明感と哀愁の漂うサウンドは際立った特色がありま~す。

LP4枚の中から、2分程度の曲ばかりなので私の気に入り33曲を80分CDにダビング。

 

週に一度は西部劇

DVDで『テキサスの四人』(1963年/監督:ロバート・アルドリッチ)を再見。大金をめぐってフランク・シナトラとディーン・マーティンが繰り広げるコミカル西部劇。

ザック(フランク・シナトラ)とジョー(ディーン・マーティン)の乗った駅馬車をマトソン(チャールズ・ブロンソン)一味が襲撃。二人の銃の腕前でマトソン一味を撃退しますが、銀行へ運ぶ10万ドルを持っていた老人と馭者が死に、ジョーがザックの裏をかいて10万ドルを横取り。町に帰ったザックが愛人のイーリア(アニタ・エクバーグ)とよろしくやっているところへ、銀行に金を預けるためにジョーが町にやってきます。ザックはジョーをとっちめるためにレストランに呼び出しますが、ザックを闇討ちしようとしていたマトソンを撃ってザックを助けます。ジョーは河船での賭博場を計画しているマクシン(ウルスラ・アンドレス)の美しさに魅せられて出資。銀行家のバーデン(ビクター・ブオノ)はザックをたきつけてジョーと戦わせ、共倒れしたところを、マトソンを使って河船を乗っとろうと計画。河船就航の日、ザックは部下を引き連れてやってきますが……

ブロンソンの顔アップで始まり、「これは悪役です」のナレーションでコメディ・タッチの作品とすぐにわかります。そのあとは、激しい駅馬車追いかけシーン。屋根の上からシナトラがライフルで、客席からマーティンが拳銃で悪漢たちを撃ち落とします。気の弱い老人が10万ドル渡すから撃ちあいをやめて命だけは助けてと言うのを聞いたマーティンがニヤリとするユーモアを交え、スピードに富む横移動だけでなく、ヘリコプター撮影をも加えた、アルドリッチらしい痛快な開巻。駅馬車の10万ドルを二人が奪い合う、逆転、また逆転までは面白いのですが、町に舞台が移ってからはダラダラした展開。三ばか大将を登場させて笑いをとろうとしたりして、アルドリッチの演出はピントがボケています。クライマックスの乱闘は、ここぞとばかりに力を入れて作り上げていますが、喜劇の演出に手こずったという作品ですな。ボリューム満点のアニタ・エクバーグ、スタイル満点のウルスラ・アンドレスに、シナトラとマーティンは終始ニヤけて、最後は結婚でエンド。アルドリッチにお色気コメディは筋違いで~す。

 

たまには読書

小松奎文:著の『いろごと辞典』(角川文庫:2018年3月25日初版発行)を拾い読み。世界中の性用語、方言、現代の俗語・隠語までを網羅した576頁にわたる大辞典。著者は色事研究に20年以上費やしたとのことで、世の中にはいろんな趣味の人がおりますなァ。

九州では、女性器や性交に使われる隠語として有名な“ぼぼ”が、江戸時代から伝わる代表的俗語とは知りませんでした。さらに遡ると、古代宗教の性器崇拝につながるとのこと。“ぼぼ”の語源は火(ほほ)の転化したもので、女陰を火の神として崇拝した名残りからきたようです。プロ・レスラーのボボ・ブラジルが九州では何かと話題になったことを知っているのは、今では年寄りだけ。

ところで、“鴨の腹”“甘露水”“恋相撲”“騒水”“花電車”って、何のことかわかるかな?