帰省前に

録画していた『ブレイン・ゲーム』(2015年/アルフォンソ・ポヤルト)を観る。共に予知能力をもつ犯罪アナリストと連続殺人犯の対決を描いたクライム・サスペンスです。
女性捜査官キャサリンアビー・コーニッシュ)と連続殺人事件の捜査にあたっていたFBI特別捜査官のジョー(ジェフリー・ディーン・モーガン)は手がかりをつかむことができず、娘を白血病で失ってから隠遁生活をしている元同僚のクランシー(アンソニー・ホプキンス)に助けを求めます。クランシーは予知能力を持っており、超能力を信じないキャサリンでしたが、クランシーのおかげで捜査は急展開。被害者全員が不治の病に罹っていたことがわかります。クランシーは、犯人(コリン・ファレル)が自分以上の予知能力を持っていることに気づき……
クランシーが視る予知ビジョンの断片が、後半の犯人との対決の伏線になっています。犯人が登場してからのスリル演出は、派手ではありませんが、結構ハラハラ。アンソニー・ホプキンスは、この手のキャラにピッタシ。犯行動機の是非や、命の終わり方について考えさせられる内容で、単純なサスペンス映画になっていませ~ん。

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墓参や母の定期診断の付添いなどで本日より帰省。日記は29日まで休みます。

変型時代劇

録画していた『刀剣乱舞-継承-』(2019年/監督:耶雲哉治)を観る。ゲームが原作のファンタジー時代劇です。
歴史修正主義者の時代遡行軍による過去への攻撃が始まり、正しい歴史を守るために審神者堀内正美)によって戦士へと姿を変えた刀剣“刀剣男子”が戦国時代へタイムスリップ。本能寺の変で死ぬはずの織田信長山本耕史)を助けようとする時代遡行軍と、三日月宗近(鈴木拡樹)たち刀剣男子が戦います。時代遡行軍を撃退したはずが、何故か信長は生きており、刀剣男子は再びタイムスリップ。秀吉(八嶋智人)と連絡をとろうとする信長を暗殺するはずが……
舞台中心に活躍しているテレビに出ないイケメンばかりで知らない役者ばかり。ゲームイメージそのままに、艶やかな姿でアクションするのがこの作品のウリなので、物語の妙はあまりありません。時代遡行軍と刀剣男子のアクションシーンも斬られ役相手に立回りをするのでなく、殆どがCG合成。斬られたら灰となって消滅するのです。それでも、ファンタジー歴史アクションとして本能寺の変安土城炎上の謎を織り込み、テンポよく展開するので、それなりに楽しめます。ちなみに、登場する刀剣は山姥切国広・薬研藤四郎など所有者が知られている名のある1本ばかりで、正宗・村正・備前長船・胴田貫といった一般的名刀は出てきませ~ん。

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チャンバラを期待して

録画していた『大殺陣』(1964年/監督:工藤栄一)を観る。御政道を正そうとする男たちを描いた東映集団時代劇です。
政治改革を企てていた親友が目付・北条氏長大木実)の配下に追われて逃げ込んできたために神保平四郎(里見浩太朗)も一味に間違えられ逃走。無頼の旗本・浅利又之進(平幹二朗)に助けられますが、謎の女・みや(宗方奈美)から妻の加代(三島ゆり子)が事件の巻きぞえから殺されたことを知らされた平四郎は、御家人・星野友之丞(大坂志郎)を紹介され、一党に加わります。みやは軍学者山鹿素行(安部徹)の姪で、素行は甲府宰相・徳川綱重を危篤の将軍・家綱の後継にして政権を私物化しようとしている大老酒井忠清(大友柳太朗)の野望をつぶすために綱重の暗殺を計画。かねての手はず通りに計画は実行されますが……
集団時代劇の傑作『十三人の刺客』に続いて工藤栄一が手がけた作品。未見だったので期待したのですが、前作と比べるとかなり見劣りがします。酒井の悪政が表現できておらず、暗殺者へ感情移入できないんですよ。平幹二朗演じる浅利又之進が最後に見せる行動なんて、とってつけた感じです。剣の達人でもない普通の侍4人が、大名行列に斬り込むんですが、いくら相手が刀を抜いたこともない太平ボケした連中といっても計画に無理あり。斬りあいをしたこともない侍たちが、刀を振り回し、身体ごとぶつけていくドロドロの死闘が見せ場なのでしょうが、これはチャンバラとはいえず、期待はずれで~す。

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殺陣はダメだが

時代劇ということで録画(BS朝日で13日に放送)した『無用庵隠居修行3』(脚本:土橋章宏、監督:古川一義)を観る。原作(海老沢泰久の連鎖短編小説)を読んではいませんが、第3弾となると原作を離れたオリジナル脚本のような気がします。
遊女と商人の心中死体を目撃した日向半兵衛(水谷豊)が死体に不審を持って帰宅すると、後継ぎの新太郎(田中偉登)が訪ねてきて、用人・勝谷(岸部一徳)のことについて相談。最近、勝谷の様子がおかしいというので、半兵衛は元御庭番の籐兵衛(田山涼成)と勝谷を尾行。勝谷が女性(手塚理美)と一緒にいるところへ何者かが襲います。半兵衛が二人を助け、話を訊いたところ、女性は勝谷の昔馴染みで、行方不明になっている夫を捜しに来たとのこと。夫は二本松藩の勘定方で、半兵衛と籐兵衛の調査で蝋燭の取引をめぐる二本松藩家老(六平直政)の不正が浮かび上がってきます。遊女と商人の心中事件もそれに絡んでおり、さらに、奈津(檀れい)の父である幕府勘定方の松田清四郎(橋爪淳)も何者かに襲われ、幕閣にまでつながる不正が判明。半兵衛は巨悪退治のために、火盗改長官の長谷川平蔵榎木孝明)と老中・松平定信杉本哲太)に会い……
水谷豊と岸部一徳の掛け合いの面白さ、檀れいとのやりとりもグッドで、このドラマの基盤となっていますね。殺陣を極力少なくして(水谷豊の立回りは見てられません)、物語の面白さを全面に出して成功しています。2017年から年に1回製作という感じで続いており、今後も続けて欲しいで~す。

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たまには読書

高野光平:著の『発掘!歴史に埋もれたテレビCM』(光文社新書:2019年7月30日初版発行)を読了。テレビ創生期のCMについて、数々の発掘資料をもとに、その時代背景を含めて解説しています。
「テレビCMの原始世界」「珍しいCMたち」「高度成長の風景」「CMの中の人びと」「発掘されたお宝たち」の5つのテーマからなっており、テレビ創生期から観ていた私でも知らないCMばかり。
食品添加物を使っていることを大々的アピールしている食品CMは、当時の科学万能主義が背景。テクノロジーの発展が日本の発展につながると誰もが信じ、環境のことなど考慮せず、それ行けドンドンで進んだ結果、公害問題が発生するんですな。
外国人(後年の有名スターでなく、明らかに素人)を使ったCMは高級感を出すため。アメリカの豊かな生活に憧れていた日本人は、外国人が出てくるだけで高級と思ったんですよ。
おもちゃのCMの中で任天堂の“ドライブゲーム”を紹介していますが、デパートの屋上遊園地にあった“ドライブゲーム”を思い出しました。10円入れると地面がスクロールしてクネクネ道が現れます。その上に乗っかっている車を道からコースアウトしないようにハンドル操作。道の真ん中に一定間隔で突起物があって、その上を車が通れば距離がカウントされます。ゲーム機正面の表示板に進んだ距離が表示され、時間内に目的地に着いた時は嬉しかったですねェ。友達と距離を競いあったりしてね。子供たちには人気があったので、家庭ゲーム機にしたんでしょう。
当時のテレビCMを通して、当時の社会環境を想い出し、懐かしくなりま~す。

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口直しに

録画保存していた西部劇『アパッチ』(1954年/監督:ローバート・アルドリッチ)を観る。アパッチ最後の戦士を描いた作品です。
最後まで白人に反抗していたアパッチの酋長ジェロニモが降伏し、戦士のマサイ(バート・ランカスター)もジェロニモと一緒にフロリダの収容所に移送されます。しかし、途中でマサイは脱走し、農夫として白人と同じ暮らしをしているチェロキー・インディアンに助けられたりして故郷に帰還。マサイはアパッチが自立するには農業が必要と、恋人ナリンリ(ジーン・ピータース)の父である酋長サントス(ポール・ギルフォード)を説得しますが、サントスは裏切って騎兵隊へ密告。再び捕らえられて護送されますが、わざと逃がして殺そうとするアパッチ嫌いのウェデル(ジョン・デナー)の逆をついて逃走。ただ1人山中に隠れて騎兵隊相手にゲリラ活動をし、ナリンリを拉致。マサイはナリンリが自分を裏切ったと思っていましたが、それが誤解だったことがわかり居留地へ帰そうとします。しかし、マサイを愛しているナリンリはマサイと行動を共にし、山小屋で結婚。騎兵隊スカウトのアル・シーバー(ジョン・マッキンタイア)と、ナリンリに恋しているインディアン兵士のホンド(チャールズ・ブロンソン)はマサイを執拗に追跡し……
最初に観た時は、リアリティのない甘い作品だと思ったのですが、再見した時にはそれが心地良さになっていました。インディアンのとるべき道は白人への同化と規定していたり、バート・ランカスターのワンマン映画と云われたり、ローバート・アルドリッチの演出も後年の作品のような切れ味がなく凡庸と、作品への評価は高くありませんが、ジーン・ピータースがランカスターに見せる情感にググッときたり、誕生した赤ん坊の泣き声でランカスターが戦いをやめるベタな展開が好きなんで~す。

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最後に

西部劇パーフェクトコレクションに収録されている『悪名高きテキサス人』(1947年/監督:エドワード・ルドウィグ)を観る。テキサスを舞台に州警察の暴政と戦う男たちを描いた西部劇です。
南北戦争が終わり、テキサスの故郷の町に帰ってきたジム(ビル・エリオット)とウエス(ジョン・キャロル)は、州警察長官ギブソンアルバート・デッカー)の指揮下のもとに警察官が町を支配していることに憤慨。州警察の行動に抗議したウエスの父親が殺され、ウエスは殺した警官を射殺。ウエスの行為は町民に支持され、英雄に祭り上げられます。ウエスのもとには血気盛んな若者や無法者が集まり……
やむにやまれず無法者になるというのは西部劇の定番。ジムは暴力によらずに収めようとして政治工作に奔走しますが、結局はウエスギブソンが相撃ちになって解決です。アリス(キャサリン・マクロード)を巡ってのジムとウエスの恋模様が並行して描かれていますが、ダラダラした展開で退屈。勇ましいところはジョン・キャロルが持っていき、ビル・エリオットは右往左往しているだけで見せ場なく、期待外れです。実在の無法者サム・バスを適当に登場させたり、ラストも取ってつけた感じで、褒めるところのない作品で~す。

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画像は、ビル・エリオットとジョン・キャロル。