たまには冒険ファンタジー

録画していた『ヴァルハラ 神々の戦い』(2019年/監督:フェナル・アーマド)を観る。北欧神話をベースにしたデンマークなど北欧4ヵ国が合作した冒険ファンタジーです。

貧しい農民の子供シャールヴィとロスクヴァ(セシリア・ロッフレード)の兄妹の家に雷神のトール(ローランド・ムーラ)とロキ(ドゥルフィ・アル・ヤブーリ)が一夜の宿をとります。シャールヴィは、オーディンを主神とする神の国アスガルドの宮殿ヴァルハラに連れて行かれますが、ロスクヴァもこっそりついて行くのね。二人は宮殿で奴隷のように働かされ、二人は仲良くなった小さな巨人クォークと宮殿から逃走。しかし、アスガルドと対立する巨人の国にシャールヴィが連れ去られ……

アメコミのマイティー・ソーがモデルにした世界。神といっても野人そのもので、服装も地味だし、ファンタジーとしての華麗さはありません。CGも安っぽく、貧乏臭い作品です。ただ、セシリア・ロッフレードは、いかにも北欧美少女でグッド。

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惹句に魅かれて

録画していた『クイーンギャング怒りのリベンジ・ライド』(2020年/監督:メラニー・エイトケンヘッド)を観る。女性バイカー集団が悪党を成敗するアウトローアクションです。

かつて暴行を受けたマギー(セリンダ・スワン)は、自分と同じような境遇の女たちが集まったバイク集団ダークムーンに所属。マギーの従妹の女子大生メアリー(ヴァネッサ・デュバッソ)がアメフト部の男子学生たちにレイプされたことを知り、マギーはリーダーのトリガー(ポリアンナマッキントッシュ)にそのことを話します。トリガーとマギーはダークムーンを率いて学生たちに制裁。彼女たちに焼き印されたキーガン(ジェイク・ロケット)は、武器を集めてダークムーンへの復讐を計画。そんな中、マギーは同じアメフト部でもキーガンのやり方に反対しているブライアン(ディエゴ・ボニータ)と親しくなり……

ギャングを相手に大暴れを期待したのですが、成敗するのはチンピラ学生。バイクを走らせているのが女性というだけで、スピード感もなければバイオレンス感もなし。中途半端な社会正義、中途半端なアクション、それに中途半端な恋愛模様が絡んだ風俗映画ということになるんでしょうか。エロチックなところもなく、70年代のC級映画を見ている感じで~す。

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ユニークついでに

録画していた『昔話法廷』の「三匹のこぶた」「アリとキリギリス」「浦島太郎」「ブレーメンの音楽隊」「赤ずきん」「桃太郎」を観る。“昔話の主人公が訴えられたら…?”という設定で作られた15~30分の法廷ドラマです。このドラマの特徴は判決が出る直前で終わること。視聴者はドラマに登場する裁判員と同じように、登場人物の言い分をもとに、“争点は何か?”“なぜ被告人は罪をおかしたのか?”“証言は信用に足るのか?”を考えて、自分なりの判決を考えるんですな。考える力を養う、いかにもEテレらしい番組です。

それと、知っているつもりでも知らないことが結構ありました。「三匹のこぶた」では、狼が煙突から忍び込もうとして煮えたぎる鍋に落ちて死ぬこととか、「赤ずきん」では、猟師に助け出された赤ずきんが、狼の腹に石を詰めて殺すこととかね。狼は猟師に腹を裂かれて死んだものと思っていました。ドラマにするための脚本家の創作なら、昔話を変えてしまうのは問題です。「ブレーメンの音楽隊」は、この齢になるまで私の知らない昔話。

でもって、最新作の「桃太郎」ですが、桃太郎(仲野太賀)は、鬼ヶ島に押し入り、鬼たちを殺傷し、財産を奪い取ったという強盗殺人罪に問われます。検察(天海祐希)側の証人として殺された鬼の妻(仲里依紗)、弁護(佐藤浩市)側の証人として桃太郎のおばあさん(白石加代子)、他にも犬などが証人。裁判員恒松祐里)と同じ目線にたち、大胆な解釈を加えた昔話からネット社会や差別といった問題を視聴者に考えさせるようにしていま~す。

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ユニークさが好きで

録画していた『江戸川乱歩短編集Ⅳ』を観る。満島ひかるが明智小五郎の、“ほぼ原作に忠実に映像化”するシリーズの4作目で、今回は、「怪人二十面相」「少年探偵団」「妖怪博士」の3本。これまでに、シリーズ1で「D坂の殺人事件」「心理試験」「屋根裏の散歩者」が、シリーズ2で「何者」「黒手組」「人間椅子」が、シリーズ3で「お勢登場」「算盤が恋を語る話」「人でなしの恋」が放送されています。

これまでは江戸川乱歩の耽美な異常犯罪世界を、朗読を交えた破天荒な演出で楽しませてくれましたが、今回はジュビナイルの世界。“賊自身でも本当の顔を忘れているのかもしれない”と原作者の乱歩が記したように、「怪人二十面相」は顔のない人物として登場。森山未來野々村真仲本工事などに変装して現れます。「少年探偵団」では、嶋田久作たちヘンなオジサンが少年探偵団を演じ、笑ってしまいましたよ。口を文字のかたちにする映像表現もグッド。今回の3編の中では一番面白かったです。「妖怪博士」は今イチでしたが、全編を通して、満島ひかるが真面目に不真面目演技をしているのが良かったで~す。

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週に1度は西部劇

録画していた西部劇『ネバダ・スミス』(1966年/監督:ヘンリー・ハサウェイ)を観る。両親を殺された男の復讐物語です。

両親を3人の無法者に殺されたマックス(スティーブ・マックィーン)は、復讐のために旅立ち、ガンスミス(銃の販売・整備・修理などを行う職人)のジョナス・コード(ブライアン・キース)と知りあいます。彼に銃の手ほどきを受け、町から町をめぐり歩き、ついに無法者の一人ジェシーマーティン・ランドー)を発見。

壮絶な死闘の末、ジェシーを倒しますがマックスも傷を負います。マックスの母がカイオワ・インディアンだったことから、カイオワのインディアン娘ニーサ(ジャネット・マーゴリン)に連れられてカイオワの部落へ。傷の養生をしているうちにニーサと愛しあうようになるんですが、二人目の仇がフロリダの囚人キャンプにいることがわかり、銀行強盗をしてわざと捕まります。囚人キャンプで目指す仇ビル(アーサー・ケネディ)を見つけ、脱走に誘って殺します。脱走の手伝いをするのが、農奴の娘ピラー(スザンヌ・プレシェット)ね。ピラーは脱走の途中で毒蛇に噛まれて死にます。スザンヌ・プレシェットには珍しい汚れ役でした。

最後の一人トム(カール・マルデン)にはネバダ・スミスと名乗って近づき、仲間二人が殺されて恐怖の影におびえていたトムの両足をなぶるように撃ちぬきます。そして、神父(ラフ・バローネ)の言葉が脳裏によみがえり、トムを殺さずに何処へともなく立ち去るのです。

原作はハロルド・ロビンスの『大いなる野望』の中に出てくるネバダ・スミスの物語。『大いなる野望』も映画化されていて、主人公はジョナス・コードの息子で、ネバダ・スミスは主人公のお守役的存在でした。ネバダ・スミスを演じたのはアラン・ラッド。ラッドが再演する予定が、年齢的な問題もあってマックィーンに変更になりました。家を焼き、仇を追う旅で失敗し、ジョナス・コードに世渡りの術を学ぶ前半部分はアラン・ラッドでは無理がありますからね。

世間知らずで字も読めない若者が一人前になっていく前半、過酷な囚人キャンプから憎い相手と脱獄する中半、銃撃戦をメインにおいた西部劇タッチの後半と、ハサウェイの演出は目先を変えて楽しませてくれます。欲張りすぎて少し冗漫なところはありますが、現在の視点で観ても古臭さを感じませ~ん。

画像は、スティーブ・マックィーンスザンヌ・プレシェット。

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海外ドラマから

録画していた『ブラインドスポット』の最終シーズンを観了。これまでのシーズンと違って全11話と短かったので、全体的に端折りすぎている感じです。

テロリストにされたジェーン(ジェイミー・アレクサンダー)たちが、アイヴィー(ジュリー・セルダ)率いるアナーキストのテロ集団と結託して、ジップという薬品でアメリカ国民の記憶を奪い、自分の意のままになる国を作ろうとするマデリン(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)の野望を防ぎます。

タイムズスクエアに置かれたバッグの中から全身にさまざまなタトゥーが彫られた記憶喪失の女性ジェーン(ジェイミー・アレクサンダー)が現れ、FBIのカート(サリヴァン・ステイプルトン)を相棒に、タトゥーを手掛かりに事件を解決するのがこのドラマの発端でしたが、ジェーンが記憶を消してFBIに潜入のために使ったのが、テロ組織サンドストームが開発したジップという薬品でした。ジップには幻覚におかされ、死に至るという副作用があり、ジェーンは最終シーズンで再びジップを浴びます。ラストは再びタイムズスクエア。事件解決後に、ジェーンたちが幸せな生活を送っている姿は真実なのか、それとも死にゆく者の幻覚なのか、結末を視聴者にゆだねる形になっていま~す。

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最後に

録画していた『サスペリア(2018)』(2018年/監督:ルカ・グァダニーノ)を観る。1977年のダリオ・アルジェント監督作品のリメイクです。

1977年のベルリン、スージーダコタ・ジョンソン)はマルコス舞踊団のオーディションを受けるためにアメリカからやって来ます。スージーはカリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)の目に留まって入団。舞踊団では、主力ダンサーのパトリシア(クロエ・グレース・モリッツ)が謎の失踪をしており、他にも不可解なことが発生しています。スージーの同僚サラ(ミア・ゴス)は、舞踊団の寄宿舎に秘密の部屋があることに気づき……

オリジナルは、強烈な映像美とサウンドで押しまくる、ダリオ・アルジェントの持ち味が出た傑作。本作は、単純なホラーにせず、東西ドイツの政治事情など1977年の時代背景を色濃く描いています。そして、それに関連するオリジナルにはない精神科医(驚いたことに特殊メイキャップをしたティルダ・スウィントンが演じている)の物語により、上映時間はオリジナルより1時間も長い152分。映像美や演技など、ホラーというより芸術性を目指している感じですな。評価に賛否が混在するのは納得。私としては、ホラー映画は単純にハラハラ・ドキドキできればいいので~す。

画像は、振付師と精神科医ティルダ・スウィントン。おまけに、魔女のヘレナ・マルコスも彼女で、特殊メイキャップ3役は見事。

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