毎日少しずつ

nostalji2008-12-15

12月に入り、毎日少しずつ部屋の掃除(テレビやタンスの後ろといった普段できない所)をしているのですが、本箱の整理を始めると、つい本の内容に目を通しはじめ、読書にのめりこんでしまいます。でもって、画像は池波正太郎:著の『池波正太郎のフィルム人生』(新潮文庫:1983年6月25日第1刷発行)ね。
単なる映画エッセイに終ることなく、“人間とは何か、人生とは何か、社会はどうあるべきか”を真剣に考えさせてくれる好著です。戦前の生活については、戦後生まれなので実感として、もうひとつ感じられないのですが、現在の生活は私たちの子供時代と比べても、ずいぶんゆとりがなくなったと思いますね。社会全体に心のゆとりがないですよね。勉強(社会生活をおくるための知恵を学ぶのでなく、進学のための知識詰め込み)に追いまくられる子供たちへの反省から“ゆとり教育”なるものが実施されましたが、結局何の効果も見出せずに瓦解しました。親たちを含め社会全体にゆとりがないのに、そんなことをしても無駄だったわけです。気配りとか、思いやりといったことに社会全体が拒否しているのに、子供たちだけにゆとりを持てといっても、そりゃ無理です。皆で高度成長にワッと飛びついて、物があふれる社会作りに邁進したのですから、元に戻ることなんてできませんよ。行き着くところまでいって、社会全体が崩壊しないかぎりね。世界恐慌が始まりそうだし、その日は近いかも……