リメイクよりオリジナル

nostalji2009-08-16

セルDVDの『決断の3時10分』(1957年/監督:デルマー・デイビス)を観直す。アクションシーンとか衣装や銃器などは時代を感じさせますが、現在観ても決して古びていません。リメイク作品より優れているところが多々ありますね。特に優れているのが構図の素晴らしさです。空間的な拡がりがあり、西部劇の醍醐味があります。最近の映画は動きを重視するせいか、静的映像が軽視されているような気がします。
オリジナルは夫婦の絆がポイントで、酒場(樽の上に板を載せただけのカウンターはリメイクよりリアル)での強盗団の首領ベン(グレン・フォード)と酒場女(フェリシア・ファー)との会話、ダン(ヴァン・ヘフリン)の家でのベンとダンの妻(レオラ・ダナ)との会話、コンテンションの町のホテルでのベンとダンの会話が意味を持ってくるのですが、父子の絆がポイントのリメイク作品ではあまり意味をなさないんですよ。
原作者のエルモア・レナードがリメイクの試写を観た感想は、「面白い作品に仕上がっているね。でもどうせなら、救いがたい凡作映画に仕上がってしまった私の他の作品をリメイクしてほしかったな」とのことで、裏返せば、オリジナル作品に満足しているんですね。オリジナルもリメイクも面白い西部劇ですが、やたら殺しすぎの感があるリメイクのラストシーンより、常識的なラストのオリジナルの方が私の好みで〜す。