骨太だったが

nostalji2009-09-10

録画していた『天皇の世紀』(WOWOWが再放送)を観終える。『天皇の世紀』は、1971年に朝日放送の開局20周年記念として放送された連続ドキュメンタリー時代劇(全13話)でした。原作は大仏次郎の史論で、幕末から明治維新にかけた激動の時代を中心になる主人公を設けるのでなく、テーマに沿って描いています。1話ごとに完結していくわけです。役者は共通していて、例えば、#2「野火」・#4「地熱」・#5「大獄」・#11「決起」に登場する吉田松陰原田芳雄ね。
当時の大スターや人気スターは出演していませんが、スタッフは豪華ですよ。音楽は武満徹で、脚本には石堂淑朗早坂暁新藤兼人が参加しており、演出しているのが山本薩夫今井正蔵原惟繕三隅研次篠田正浩佐藤純彌吉村公三郎といった映画界のそうそうたる監督たちですからね。内容的には優れていますが、“大政奉還”などの幕末後期の史実がなく、視聴率が低くて途中で打ち切られた感じがします。歴史を正面から見据えたため、娯楽的面白さがなかったからでしょう。だけど、営利ばかりじゃ、良質なテレビ文化は生まれませ〜ん。
画像は、#1「黒船渡来」の田村高広(阿部正弘)と木村功川路聖謨