銃撃戦といったら

nostalji2009-04-03

画像は、映画『荒野の七人』(1960年/監督:ジョン・スタージェス)のスナップ写真。NHKハイビジョンで『荒野の七人』が放送されるもんでね。『荒野の七人』はガンファイト西部劇の傑作で、西部劇ファンでなくても、映画ファンなら絶対に観ておかなきゃならない作品です。計算された構図の中で、切れ味の鋭いショットをつみ重ね、つなぎ合わせることによってガンマンたちの動きが、現在のメッタヤタラと射ちまくるだけのガンアクションと異なり、美しく描かれていることにスタージェスの演出の冴えを感じることができます。最初観た時は、ガンファイトシーンの見事さだけを喜んでいたのですが、その後、何度か繰り返し観ているうちに意外と奥深いことに気づいてきました。
映画好きの人なら誰でもこの作品が黒澤明の『七人の侍』を西部劇に翻案したものだと知っているでしょうが、舞台を19世紀末期のメキシコにしたことが味噌ですね。アメリカ西部だと農民がガンマンを雇うことなく自ら銃を持って立ち上がりますからね。19世紀末のメキシコ農民はディアス独裁政権支配下におかれ、江戸時代初期の農民に近い状況でした。それから19世紀末は、西部開拓におけるガンマンの時代は終わりをつげ、銃でしか生きることができないガンマンたちが働き口をもとめてメキシコ農民に雇われるのも納得がいくんですよ。この設定は、『用心棒』を西部劇に翻案した『荒野の用心棒』にも踏襲されていますね。日本の時代劇を西部劇に翻案するなら、舞台は19世紀末のメキシコだァ。
ところで今月はBS2とWOWOWで西部劇が色々放送されますね。BS2では、『ワーロック』『北西騎馬警官隊』『バファロー大隊』『マクリントック』『チザム』『ブロンコ・ビリー』が、WOWOWでは、『ダンディー少佐』『ワイオミング』『大いなる西部』『ジェシー・ジェームズの暗殺』『決断の3時10分』『ジェロニモ』『バンディダス』が放送されます。それと、『ブラッドレインⅡ』(6日WOWOW)も、吸血鬼と人間の混血児レインが吸血鬼になったビリー・ザ・キッドと戦うホラーアクションですが、ゲテモノ西部劇といえるでしょうね。