本日は

DVDで『終着駅』(1953年/監督:ヴィットリオ・デ・シーカ)を観る。メロドラマにはイタリアの風景が似合うらしく、これはローマ駅が舞台。

夕闇せまる竣工したばかりのローマ駅にマリー(ジェニファー・ジョーンズ)がやってきます。意を決したようにミラノ行きの切符を購入。アメリカに夫と娘を残したままローマにいる姉のところへ来たのですが、イタリア青年ジョヴァンニ(モンゴメリー・クリフト)と深い仲になったんです。ミラノ経由パリで帰国する予定でしたが、ジョヴァンニが駆けつけてきます。ジョヴァンニが話し合いたいというので、マリーはパリ直行便に列車を変更。ジョヴァンニは出発しないように懇願しますが果たさず、彼女をぶって立ち去ります。悲しみのマリーは、荷物を渡しに駅に来た甥(子役時代のリチャード・ベイマー)になぐさめられ、甥と待合室へ。マリーとの別れを決意したジョヴァンニは、別れの言葉を言うためにホームへ。発車まぎわのホームにマリーを見つけます。二人が待避線の車内で最後の別れを告げている時、鉄道公安官に連行され……

ドラマの進行時間と映写時間がほぼ一致するような演出で、デ・シーカはキメ細かい恋愛描写をしています。ジェニファー・ジョーンズモンゴメリー・クリフトの演技が見事。ほとんど2人だけの芝居ですが、駅内にうごめくさまざまな人生も点描しており、人生の縮図がくりひろげられます。

アメリカで公開されたバージョンでは、アレッサンドロ・チコニーニのメロディに歌詞(ローマの秋)がつけられ、ペギー・リーが歌ってヒットしていま~す。