団塊研究

nostalji2009-04-08

由紀草一:著の『団塊の世代とは何だったのか』(洋泉社:2003年10月20日初版発行)と三田誠広:著の『団塊老人』(新潮新書:2004年7月20日初版発行)を読了。
団塊の世代とは何だったのか』は、“過剰意義づけ”“理論過多”“押しつけ”“緩急不在”“戦略不在”“被害者意識”“指導力不足”“無自覚”といった最大公約数的な特徴論でなく、“幼くして民主主義教育を受ける”“学生として乱を起こす”“若者として歌う”“サラリーマンとして惑う”といった事実論になっているのが好感できます。著者が1954年生まれで、団塊の世代より遅れてきた世代で、団塊の世代の後塵をもろに受けているため、団塊の世代がどのように生きてきたかを客観的に見つめることができるんですね。学校や会社の中で塊となって過してきた団塊の世代が定年を迎え、塊から個の世界でどのように生きるか著者は継続して見つめていくことでしょう。
団塊老人』は、団塊の世代の老後についての提言書。著者が1948年生まれの団塊の世代なので、個人体験に基づく老後の哲学を述べています。「質素で堅実な暮らしの中で、企業という幻想の共同体から解放されて、独自の価値観による自立した生き方を模索する。自分自身に投資して、文化と教養を高めていく。自分なりの趣味をもつ。あるいは社会のための奉仕をする。少ない費用で、生き甲斐を得る」とは、真にその通りなのですが……