キャラは西部劇

nostalji2009-02-14

録画していた『ジャコ萬と鉄』(1964年・東映/監督:深作欣二)を観る。月形龍之介(ジャコ萬)と三船敏郎(鉄)が鰊漁場を舞台に男と男の対決をする『ジャコ萬と鉄』(1949年・東宝/監督:谷口千吉)のリメイクです。ジャコ萬が丹波哲郎で鉄が高倉健ね。黒澤明が脚本を谷口千吉と共同で書いており、北海道の自然の中で展開する西部劇的アクション映画です。頑迷固陋な網元(山形勲)が仕切る鰊漁場に、網元に船を乗り逃げされた無法者のジャコ萬が現れるんですな。ジャコ萬は網元の弱みにつけこんで仕事を妨害するんですが、そこに網元の息子・鉄が復員して家に戻ってきます。出稼ぎ漁夫たちの味方となって、父親の旧弊な人扱いに反発しながら、鉄はジャコ萬と対決し、争いながらもいつしか共感を抱き合ってゆくという、西部劇の定石や雰囲気にあふれていますよ。
ジャコ萬を慕う酒場女(高千穂ひずる)や、鉄がプラトニックな愛を抱く清純な娘(入江若葉)、殺人逃亡中の肺病病み漁夫(江原真二郎)などは、西部劇でお馴染みのキャラクターです。鰊漁場を、牛を集めてキャトルドライブに旅立つ牧場に置き換えても成り立つ物語ですねェ。
画像は、『ジャコ萬と鉄』の丹波哲郎高倉健。胡散臭い丹波と、乱暴だが誠実な健さんが持ち味を出して、男っぽいアクションを見せてくれて満足、満足。