優しさが必要な時代

nostalji2009-02-21

録画していた『かあちゃん』(2001年・東宝/監督:市川崑)を観る。貧乏長屋に住むかあちゃん岸恵子)を中心にした家族の物語で、“情けは人のためならず”心洗われる優しい映画でした。山本周五郎の短編小説が原作で、1958年にも大映で『江戸は青空』(監督:西山正輝)の題名で映画化されています。その時のかあちゃん沢村貞子ね。イメージ的には岸恵子より沢村貞子の方が向いていますが、映画には華がないとね。岸恵子だと綺麗事の人情話になる恐れがあるところを、市川崑監督は傍役陣(居酒屋でたむろする客の中村梅雀春風亭柳昇・コロッケ・江戸屋子猫、大家の小沢昭一、同心の宇崎竜童)を膨らますことによって、岸恵子を目立たなくしています。傍役の上手さにより、物語にも厚みが出ていますよ。現代人が失くした優しさをユーモアたっぷりに描いた佳作で〜す。画像は、若い頃の岸恵子。哀愁型美人と云われました。
HP:チャンバラワールドに「人情時代劇」をアップ⇒http://www.asahi-net.or.jp/~uy7k-ymst/chzak09/ninjo1.htm