雷蔵の持つ魅力

nostalji2009-07-16

WOWOWで『眠狂四郎・女妖剣』(1965年・大映/監督:池広一夫)を観る。市川雷蔵の“眠狂四郎”シリーズは12本あるのですが、第4作目でシリーズの方向性を決定づけた傑作です。女といえども情け容赦なく斬る、暗い宿命からくる虚無感や孤独感といった翳を持つ眠狂四郎像が確立したのがこの作品からなんです。私が高校時代に観ていた映画は洋画中心でしたが、この作品は当時私が観た数少ない邦画のひとつで、雷蔵眠狂四郎を観た最初の作品でした。内容が目的でなく、女の裸が目的というスケベー心からだったのですが、抜群の面白さでしたね。今回、観直してもその印象は変わりませんでした。湯殿から出てくる女性の裸(後姿ですけどね)のエロチズムから始まり、テンポある展開に工夫された殺陣と、内容が伴っています。
画像は、市川雷蔵眠狂四郎。ストロボアクションによる円月殺法は“女妖剣”からじゃなかったかな。このシリーズは市川雷蔵の持つ雰囲気とイメージで成功しており、内容的には今イチのものが多いですね。私感によるお勧めは、“勝負”“女妖剣”“無頼剣”“魔性の肌”の4本で〜す。