A級作品だが

nostalji2012-02-25

西部劇ビデオの『無頼の群』(1958年/監督:ヘンリー・キング)を観る。妻を強姦され殺された男(グレゴリー・ペック)の復讐物語です。銀行強盗して捕えられた4人の無法者(スティーブン・ボイド、ヘンリー・シルヴァ、アルバート・サルミ、リー・ヴァン・クリーフ)の処刑が行なわれる町に、ペックがやってきます。ペックこの4人が妻殺しの犯人だと思っており、処刑を見にきたのですが、4人は処刑執行人に化けた仲間の手引きで脱獄し、雑貨屋の娘(キャスリン・ギャラント)を人質にして逃走します。ペックは負傷した保安官の代わりに町民を指導して彼らを追跡するんですな。
ペックさえいなくなれば追手をまくことができると考えた4人は、最初にクリーフが草原で待ち伏せしますが、草が動いて見破られ、ジムに情け容赦なく射殺されます。ペックから妻の写真を見せられたクリーフが見覚えがないと言って命乞いするのですが、とり憑かれたようにクリーフに数発の弾丸を浴びせるんですね。次のサルミは弾丸を撃ちつくしたところをペックにロープで捕えられ、馬で引き摺りまわされたあげく、逆さ吊りにされて殺されます。従来の西部劇ヒーローにはない残酷さで、当時としては話題になったようです。
ボイドとシルヴァは以前立寄ったことのある鉱夫の小屋に逃げ込み、ボイドは鉱夫を殺し、人質の娘を犯します。シルヴァは鉱夫が持っていた金が入った袋を盗んでメキシコへ逃げます。ペックはメキシコまで二人を追い、酒場でボイドを殺し、さらにシルヴァを追いますが、シルヴァの妻に殴られて捕まります。シルヴァと話しているうちに彼らが犯人でないことがわかり、真犯人もわかるんです。シルヴァが持っていた金の袋がペックの牧場から盗まれたもので、犯人を捜していたペックに鉱夫が、自分が疑われないように嘘の情報を流したんですな。でもって関係ない3人を殺したという良心の呵責にペックは悩み、教会で祈り、牧師に懺悔するのね。当時としては、かなりの異色作なんでしょうが、爽快さがなく、先日紹介した『誇り高き男』の方がはるかに面白いで〜す。