幽霊は殺せない

nostalji2012-09-10

録画していた『ゴースト・オブ・マーズ』(2001年/監督:ジョン・カーペンター)を観る。人類が火星に移住している未来の物語ね。囚人護送の警官隊が乗っているはずの列車が到着してみると、乗っていたのは、たった一人の女性警官(ナターシャ・ヘンストリッジ)。女性警官が審問委員会で事件の経緯を語る形でストーリーは展開していきます。パム・グリアを隊長とする警官隊が囚人のアイス・キューブを引き取るために目的の鉱山町に着くと、町は無人と化しているんですな。首のない死体がゴロゴロしている序盤はホラーね。鉱山技術者が古代遺跡の封印を解いたために、火星人の幽霊というより魂が甦って鉱山労働者たちにのり移り、のり移ることができなかった住民を殺しはじめたんです。のり移られた人間はゾンビ顔になり、剣や刃のついた円盤で首をチョン切るのね。それで、警官と囚人が協力して火星人と戦うのですが、肉体を殺しても魂が人間にのり移るので……
火星人がどうして魂だけの存在なのか、どうして封印されていたのか、どうして首を切るのか、そんな説明は全然なく、前半の不気味感から一転して後半はひたすらドンパチのバトルアクションです。生き残るだけの不毛な戦いを暗示してエンドね。一時は才気を感じたジョン・カーペンターでしたが、『エスケープ・フロム・LA』(1996年)以後はろくな作品がありませんね。才能を使いきったかな。