一挙観開始

nostalji2014-04-09

録画していた『仁義なき戦い』(1973年・東映/監督:深作欣二)を再見。先月観た『宮本武蔵(5部作)』が5年かけて製作されたのに対し、『仁義なき戦い』は1973年1月に公開された後、『広島死闘篇』が73年4月、『代理戦争』が73年9月、『頂上作戦』が74年1月、『完結編』が75年6月と、わずか1年半で5作製作されました。第1作目の大ヒットにより立て続けに作られたものだからキャスティングに苦労しているのが見受けられます。
でもって、第1作の『仁義なき戦い』ですが、終戦後の呉に復員してきた広能(菅原文太)が度胸と気風の良さを買われて山守(金子信雄)の身内となるところから始まります。当時の呉は、土居組が勢力をはっており、山守は長老・大久保(内田朝雄)の斡旋で上田(伊吹吾郎)と手を組み土居組に対抗するのね。土居組は組長の土居(名和宏)と若頭の若杉(梅宮辰夫)の仲が悪く、広能と兄弟分だったことから山守との喧嘩を避けようとした若杉が土居に破門され、山守組の客分になります。土居を暗殺するために、坂井(松方弘樹)、槙原(田中邦衛)、矢野(曽根晴美)、新開(三上真一郎)といった山守組の身内が集まりますが、誰も名乗りをあげるものがなく、広能が土居暗殺を決行。広能は土居組に囲まれて逃げ場がなく自首します。若杉は土居組に寝返った神原(川治民雄)を殺し、警察に追われて銃撃戦の結果、撃ち殺されます。山守組は勢力拡大しますが、新開の舎弟・有田(渡瀬恒彦)が組に内緒でヒロポンを扱ったことから、若頭の坂井と新開の間で内部抗争が勃発。有田が坂井の兄弟分の上田を殺して警察に捕まり、坂井は新開を殺して抗争に決着をつけます。坂井は山守組の実権を握り、山守は仮出所した広能に坂井暗殺を促しますが、広能は山守に従う気はなく、坂井に手を貸す気もありません。山守に従っていた矢野が坂井に殺され、矢野の子分が坂井を殺して山守が復活で〜す。
深作欣二は、1964年の『豚と狼と人間』で現代ヤクザの醜さを描き、72年の『現代やくざ・人斬り与太』で従来の任侠映画の様式とはまるで違うアナーキーな衝撃力を開花させ、その衝撃力をさらに大きなスケールで描き上げたのが『仁義なき戦い』です。金子信雄の名演技で、彼の周りで死んでいく男たちの怒りと虚しさが際立つので〜す。