懐かしのサスペンス

録画していた『アラベスク』(1966年/監督:スタンリー・ドーネン)を観る。考古学者が中近東の陰謀に巻き込まれるサスペンス映画です。

オクスフォード大学の教授ポロックグレゴリー・ペック)は古代言語学者で、秘密裡にロンドンに滞在している中東某国の首相イエーナから、同国の石油王ベシュラービ(アラン・バデル)が象形文字の解読を依頼してきたらそれを解読して自分に教えて欲しいと頼まれます。案の定、ベシュラービから連絡があり彼の屋敷へ。ベシュラービの愛人と思われる女ヤスミン(ソフィア・ローレン)が現れ、仕事が終わったら殺されるとポロックに告げます。ポロックは秘密の象形文字をキャンデーの包み紙に隠し、ヤスミンとベシュラービ邸を脱出。しかし、クーデーターを計画している一味のユセフ(キーロン・ムーア)に捕まり……

ヤスミンは正体不明の美女で、ポロックは彼女に躍らされ、さながらアラベスクのような頭の混乱の中で、訪英する中東某国の首相暗殺計画を知り、結局は味方(政府のスパイ)とわかった彼女の助けをかりて、間一髪でこれを食い止めます。ヘンリー・マンシーニの音楽に乗って展開するロマンティックサスペンスで、『シャレード』の第2弾といった作品です。ケイリー・グラントオードリー・ヘップバーンのコンビと比較すると、ペック&ローレンのコンビは重く、粋でお洒落といった域に達しておらず、少しヤボッたいものになっています。だけど、最近の映画にはない味わいで、好きですねェ、こんな映画。