週に一度は西部劇

録画していたBSプレミアムの『西部無法伝』(1971年/監督:ポール・ボガート)を観る。白と黒とのペテン師コンビが騒動を巻き起こすコミカル西部劇。

奴隷廃止論がさかんになってきた南北戦争直前、白人のクインシー(ジェームズ・ガーナー)と黒人のジェーソン(ルイス・ゴセット・ジュニア)は、金に困っている主人と売られる奴隷と見せかけ、奴隷競売で金をせしめます。クインシーが町を離れると、買われたジェーソンも逃亡。この手であちこち稼いでまわるんですな。カンザス州フェアシェークの町は奴隷制度の是非で対立する町。巻き添えをくって、ジェーソンは殴り倒され、ジンジャー(スーザン・クラーク)という女性に介抱されます。ジェーソンはジンジャーと仲良くなりますが、実はジンジャーは泥棒。一方、奴隷のふりをしているジェーソンは馬小屋で鎖に繋がれている奴隷娘ナオミ(ブレンダ・サイクス)に一目惚れ。競売の日、奴隷廃止論者ジョン・ブラウンの一団が乗り込んできて競売にかけられている奴隷たちを救い出します。ジェーソンは一団から逃げ出し、クインシーと合流。この稼業を辞める潮時と考えた二人は、今までの稼ぎを山分けしようとサドルバッグを開けるとスッカラカン。ジンジャーが盗んだのね。再び稼業を始めたやさき、以前騙した人物が現れ、クインシーは留置所行き。ジェーソンは奴隷商人のブランケット(エドワード・アズナー)に捕まります。そこには、一目惚れしたナオミも捕まっており、ジェーソンとナオミはテキサスの農園主キャロウェイ(アンドリュー・ダガン)に売られます。クインシーは彼を好きになったジンジャーによって牢を抜け出し、伝染病治療の医者に化けてジェーソンを捜しますが……

ルイス・ゴセットやスーザン・クラークとのやりとりで、ガーナーが『夕陽に立つ保安官』や『地平線から来た男』で見せた持ち前のオトボケぶりを見せてくれます。特に、スーザンと伝染病治療の医者に化けてブランケットから奴隷を買った所有者を騙して金をせしめるところは笑えましたな。ただ、ポール・ボガートの演出はバート・ケネディほどのキレがなく、おふざけ度合も今イチ。キャロウェイ農場のアフリカから連れてきたばかりの奴隷の扱いなどは、もっと面白くなったと思えるだけに残念。