懐かしの青春映画

録画していた『悲しみよこんにちは』(1958年/監督:オットー・プレミンジャー)を観る。フラソワーズ・サガンが18歳の時に書いたベストセラーの映画化です。

天真爛漫やや奔放な娘セシールジーン・セバーグ)は、南仏海岸の別荘で裕福なプレイボーイの父(デヴィッド・ニブン)と、父の愛人エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と一緒に暮らしています。父が、なくなった母の親友だった優雅なデザイナーのアンヌ(デボラ・カー)を招待。セシールは今の生活が失われるのではないかと恐れます。父はアンヌと結婚すると言い出し、アンヌは母親のように、セシールが学生の恋人フィリップ(ジェフリー・ホーン)と愛しあうことを禁止し、勉強に励むように忠告。セシールはアンヌに復讐しようとして、フィリップとエルザに計画の片棒を担がせます。父にフィリップとエルザの親しげな様子を見せ、父の嫉妬を誘い、父とエルザが逢っているところをアンヌに見せるんですな。アンヌは絶望して別荘を去り、自動車で崖から落ちて死亡。

それは1年前のことで、映画はクラブでジュリエット・グレコが、セシールの悲しい思い出を捨て去ることができないでいる心象のような主題歌を歌う現在から始まります。現在がモノクロ、回想がカラーで描かれ、場面転換が秀逸。ジーン・セバーグが揺れ動く少女の心理を見事に表現。セバーグのヘアスタイルが“セシール・カット”と称されて流行になりましたな。