歌謡曲調べで

元タイガースのメンバーだった瞳みのる:著の『ザ・タイガース 花の首飾り物語』(小学館:2013年12月4日初版発行)を読了。ザ・タイガースの最大のヒット曲「花の首飾り」の誕生を中心に、当時のGS(グループ・サウンズ)界のことが少しわかりました。

でもって、まずはザ・タイガースのことから。大阪にザ・ファニーズなるいいバンドがいるということで、作詞家の橋本淳と歌手の内田裕也が見に行ったんですな。作曲家のすぎやまこういちとも相談し、東京へ呼んで育てようと考えます。内田裕也が渡辺プロに話を持ち込み、渡辺プロが金を出したことから渡辺プロの所属となりザ・タイガースと改名。当時、アニマルズとかモンキーズとかビートルズとか動物の名前をつけるのが世界的に流行っていて、関西から来たので阪神タイガースにちなんでタイガース。作詞:橋本淳、作曲:すぎやまこういちのコンビで、「僕のマリー」「シーサイド・バウンド」「モナリザの微笑」「君だけに愛を」とヒットを重ねていきます。そして、「銀河のロマンス」のB面として発売されたのが「花の首飾り」です。

週刊『明星』でタイガースの歌を募集することになり、13万通の中から選ばれたのが「花の首飾り」ね。作詞:菅原房子(補作:なかにし礼)となっていますが、菅原房子から送られてきた原稿は、便箋7~8枚の長い詩で、なかにし礼が歌詞にして完成。すぎやまこういちが作曲するのですが、音域が高く、沢田研二の音域にあわないということで加橋かつみが歌うことになります。タイガースのボーカルといえば沢田研二だったのでB面で発売したのですが、「花の首飾り」の方がどんどん評判になっていったんですな。

ベンチャーズによるエレキブームがおこり、スパイダースやブルーコメッツなどによるエレキギターの編成とボーカルという新しい歌の流れがでてきます。誰が言ったかグループ・サウンズ(GS)と称され、ジュリー(沢田研二)のターガースとショーケン萩原健一)のテンプターズによってGSブームが到来。GS全体が、音楽性よりも王子様スタイルで見せる要素が強く、女性ファン中心にアイドル化したことでブームだけで終わり、音楽グループとして定着しなかったので~す。

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海外ドラマから

CATVのAXNで放送していた『私立探偵マグナム』のシーズン1(全20話)を観了。トム・セレック主演で1980年から8シーズンも続いたハワイを舞台にした人気探偵ドラマのリブートです。日本でも部分的に放送されましたが海外ドラマ氷河期で私は未見。

主人公のトーマス・マグナム(ジェイ・ヘルナンデス)は、元海軍特殊部隊出身で、ベストセラー作家で世界的大富豪のロビン・マスターズ(シーズン1には登場せず)の別荘を事務所にして私立探偵をしています。彼に協力するのが、元MI6の諜報員でマスターズの広大な別荘を管理しているジュリエット・ヒギンズ(パーディタ・ウィークス)で、ハッキングまで行う情報担当。ヘリコプター操縦士のTC(ステーヴン・ヒル)と射撃手のリック(ザカリー・ナイトン)はアフガンで苦楽を共にした戦友。彼らがレギュラーで、セミレギュラーとしてハワイ警察の刑事カツモト(ティム・カン)がいます。『メンタリスト』では、韓国移民二世の生真面目な刑事役でしたが今回は生真面目な日系人刑事役。韓国系といっても日本人的な顔をしているので違和感はありません。それと、『ハワイ5-O』の検視官ノエラニ(キミー・バルミレオ)が、同じキャラでこの作品にもセミレギュラーで登場。

『私立探偵マグナム』は1話完結(シーズン1ではサイドストーリーなし)で、ハワイで起きる事件を大きいものから小さなものまで、万遍なくとりあげているのが特徴。風光明媚な風景の中、多彩な顔ぶれが集まるハワイならではの人間模様を、ユーモアと人情を加味して描いています。キャラ設定や小道具などはオリジナル版をかなり踏襲しているとのことですが、オリジナルを知らなくても楽しめる作品です。シーズン2は今年すでに放送され、シーズン3の製作も決定していま~す。

 

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邦画といえば時代劇

録画していた『3人の信長』(2019年/監督:渡辺啓)を観る。今川家の残党が捕まえた3人の信長のうち、本物は誰かを巡るコミカル時代劇です。

浅井・朝倉の挟み討ちにあって金ヶ崎から敗走中の織田信長を、かねてから信長をつけ狙っていた蒲原氏徳(高嶋政宏)たち今川家の残党が捕まえます。ところが、捕まえた信長は3人。頭がきれる傾奇者の信長・甲(TAKAHIRO)、貫禄があって尊大な信長・乙(市原隼人)、うつけ者だが心が読めない信長・丙(岡田義徳)。残党一味には信長の顔を知っている者がおらず、本物の信長を見定めようと、あの手この手で迫っていきますが……

発想は面白いのですが設定が悪いです。今川家の残党は信長の首を義元の墓に捧げようとしているのですが、信長の顔を知らないというのが問題。浪人となってからの期間中に信長の顔を知る機会はいくらでもあったと思われるからです。最後に信長と相撲をとったという人物を連れてくるんですが、そんな奴がいるなら3人の首をとって、首検分させればすむ話。3人を捕まえるのが賞金目当ての落ち武者狩りの農民だったら、信長の顔は知らないだろうし、偽首を持っていったら逆に罰を受ける可能性もあって納得感があるんですけどねェ。全体的には今イチなんですが、TAKAHIRO・市原隼人岡田義徳の3人の信長と、高嶋政宏とのやりとりは味があって面白かったで~す。

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邦画が不得意な

録画していた『新聞記者』(2019年/監督:藤井道人)を観る。現行政府の闇にも繋がるような社会派ドラマです。

東都新聞社会部記者の吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、母は韓国人ですが父は凄腕記者だった日本人。エリカも父の血をつぎ、権力に媚びることなく真実の報道に努めています。ある日、社会部に大学新設計画に関する極秘情報の匿名FAXが届き、エリカは編集長の陣野(北村有起哉)に命じられて調査を開始。エリカの調査で内閣府の神崎(高橋和也)という人物が浮上してきますが、神崎は自殺してしまいます。かつて外務省で神崎の部下だった杉原(松坂桃季)は自分が所属している内閣情報調査室が神崎の死に関係していることを知り、真相をさぐるうちに神崎の調査をしていたエリカと巡りあい……

現実に森友・加計問題があったりして、ポリティカルドラマに挑む意気込みは評価します。大学新設が軍事に転用できるような研究施設を作るのが目的と、話を大きくしていますがハリウッド映画と違って物語展開は地味。エンターテインメントに徹するなら殺し屋などを登場させて派手にすべきだし、社会問題として追及するならドキュメンタリータッチでしょうね。どっちつかずで、中途半端になっています。それでも、ノンポリ映画ファンが、映画を楽しみながら政治に興味を持つようになれば、意義あることだと思いま~す。

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暴れん坊将軍共演で

録画していた『仮面ライダーOOO(オーズ)WONDERFUL将軍と21のコアメダル』(2011年/監督:柴崎貴行)を観る。仮面ライダーオーズが江戸時代で魔物怪人と戦う劇場版作品です。

800年前にオーメダルを作り出した科学者と、その人物が持つ失われたメダルを発掘するために、鴻上会長(宇梶剛士)はヨーロッパの森深くへやってきます。発掘は成功しますが、恐るべき錬金術師ガラが復活。ガラは駿少年(根岸泰樹)の母(酒井美紀)の身体を取り込み、オーズやグリードたちからコアメダルを奪い、この世界を終わらせて自分が新しいオーズになることを宣言。ガラは人々からも欲望を奪い、その力で世界を過去の空間と入れ替えて行きます。ガラの野望を止めようとした映司(渡辺秀)・アンク(三浦涼介)・比奈(高田里穂)は駿少年とともに江戸時代へタイムスリップ。映司は江戸の町民を守るために仮面ライダーオーズに変身してガラが作りだした怪物たちと戦います。そして、ピンチになった時に白馬に乗って駆けつけてくるのが暴れん坊将軍松平健)ね。将軍家に献上されたというコアメダルを受け取り、仮面ライダーオーズはパワーアップし……

仮面ライダーオーズは、2010年9月日~11年8月28日に放送された平成仮面ライダー・シリーズの12作目。未見なので細かいキャラはさっぱりわかりません。ベルトに三つのコアメダルを差し込むと仮面ライダーに変身することと、コアメダルは色々あって取り換えることによって攻撃パターンや威力が変化することぐらいしかわかりませんでした。怪物兵士をバッタバタと斬り倒す暴れん坊将軍はわかりやすくて良いや。

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今週は邦画

録画していた『麻雀放浪記2020』(2019年/監督:白石和彌)を観る。阿佐田哲也の麻雀小説『麻雀放浪記』を基にしたコメディです。

天才雀士の坊や哲(斎藤工)は、ゆき(ベッキー)・ドサ健(的場浩司)・出目徳(小松政雄)と卓を囲んでいた時に雷が鳴って2020年にタイムスリップします。三流アイドルのドテ子(もも)と知りあい、麻雀の腕をドテ子のマネージャー・くそ丸(竹中直人)に見込まれて、麻雀オリンピックに出場。決勝で卓を囲むことになったのは、ゆきそっくりなAIユキ、ドサ健そっくりなミスターK、出目徳そっくりなヤンだったことから……

出来の良かったオリジナルと同じ形でリメイクしたのでは悪評をうけると思ったのか、ハチャメチャなSFコメディにしています。やり方としては悪くないと思いますが、伊藤大輔の『丹下左膳』をコメディ化した山中貞雄のような実力がともなっていないので御ふざけ映画にすぎません。竹中直人の下ネタギャグも下品なだけ。結論としては、安っぽいコメディで~す。

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今週の放送映画

日曜日は、今週テレビで放映される映画をチェック。

本日は、テレビ朝日:『映画ドラえもん 新のび太の日本誕生』、BS日テレ:『ジョーズ3』、BS朝日:『ドランクモンキー酔拳』、BS-TBS:『弾丸刑事 怒りの奪還』、BSフジ:『シーズンズ 2万年の地球旅行』

24日(月)は、日本テレビ:『クレイジー・リッチ』、テレビ東京:『激流』、BSプレミアム:『アビス』『ぼくらの七日間戦争

25日(火)は、テレビ東京:『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』、フジテレビ:『マネーボール』、BSプレミアム:『ミッドナイト・イン・パリ』、BS-TBS:『カンフー・ヨガ

26日(水)は、テレビ東京:『ニキータ』、BSプレミアム:『遠すぎた橋』、BSテレ東:『キス&キル』『ブライド・ウエポン』

27日(木)は、テレビ東京:『クラッシュ・ダイブ 急速潜航』、BSプレミアム:『追想

28日(金)は、日本テレビ:『借りぐらしのアリエッティ』、テレビ東京:『続夕陽のガンマン』、BSプレミアム:『アパッチの怒り』

29日(土)は、Eテレ:『映画 機関車ト-マス』、テレビ東京:『パブリック・エネミーズ』、BS日テレ:『ワイルド・スピード×2』、BS-TBS:『雷神 RAIJIN』、BSテレ東:『男はつらいよ 噂の寅次郎』、BSフジ:『座頭市関所破り』、BS12:『ウインド・リバー』が放映されます。

テレ東は昔からB・C級映画の宝庫でしたが、今も変わらず、こんな映画どこから探してきたのだろうと思う作品(『キス&キル』『ブライド・ウエポン』『クラッシュ・ダイブ 急速潜航』)を放映。後発だったために系列局と比べると資金力がなく、メジャー作品を買うことができなかったからなんでしょうが、それが逆に特長になり、おバカ映画が好きなファンを集めることになりましたね。

画像は、『アパッチの怒り』のロック・ハドソン。未見の西部劇なので嬉しくなりま~す。

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