黒頭巾旋風録

nostalji2006-07-23

佐々木譲の『黒頭巾旋風録』(新潮文庫:2005年6月1日第1刷発行)を読了。天保年間の北海道(蝦夷)を舞台にした時代小説です。西部劇タッチだった『五稜郭残党伝』を読んで、明治以前の北海道を舞台にした著者の小説に興味を持ちましてね。黒装束に黒マスクで目の部分を覆った主人公が、東蝦夷を統治する松前藩の勤番役人や悪徳商人からアイヌを助けて活躍する物語で、結末も爽やかだし、時代劇全盛の頃だったら、すぐに映画化されたでしょうね。巻末の逢坂剛氏との対談で著者が“北海道ウエスタンシリーズ”の5冊目と語っていますが、その内容と主人公のスタイルから、私は西部劇というより『快傑ゾロ』を思い浮かべました。アメリカでは、『快傑ゾロ』は西部劇のジャンルに入っているので、西部劇といっても間違いではありませんが……
以前より、日本では蚊がかなり減ったそうだ。住宅環境の変化と蚊よけ商品の普及によるものですが、蚊は人間だけでなく色々な動物の血を吸うので、根絶はありえないとか。カラスやヘビ、カタツムリまで手当たり次第に吸うらしく、蚊を媒介とする新種の伝染病が発生するのが不思議でない気がしてきました。