ドキュメンタリーは嘘をつく

nostalji2006-08-03

昨夜、WBCライトフライ級王座決定戦を観る。亀田興毅ファン・ランダエタに判定勝ちし、世界チャンピオンになりましたが、明らかにホームタウン・ディシジョンですよ。あの採点方法だと、互角のラウンドは亀田にポイントをつけることができますからね。主催者側から、ジャッジに対して袖の下が贈られたとしても不思議ではありません。判定を不服として提訴しないランダエタ側にもね。試合前日にランダエタが亀田にオムツとオシャブリを渡したのも、試合を盛り上げるための主催者が用意した演出でしょう。9時の試合開始に7時30分から放送開始するだけでなく、その前の『イブニング5』から特集を組んで煽っているTBSのスポーツ報道には疑問を持ちますねェ。これでは、金で買った世界チャンピオンと言われても仕方ないなァ。亀田は、猿まわしの猿にすぎないのか……
図書館から借りてきた森達也:著の『ドキュメンタリーは嘘をつく』(草思社:2005年3月22日第1刷発行)を読了。ドキュメンタリー映画監督の著書だけあって、読んでいて納得感があります。確かに編集という作業がある限り、そこには制作者の意思が反映されるわけですから、客観的事実を伝えているわけじゃないんですよね。著者の『悪役レスラーは笑う』を読んだ時に、その取材力に驚いたのですが、映画にするつもりだったんですね。結局、陽の目を見なかったのですが、観たかったなァ。スポーツまで演出しようとするテレビ局に真のドキュメンタリー制作は期待できないとなると、良識ある映画人の個人の力に頼るしかないのか。完成した映画も海外で評判にならないと、日本では話題にならないというのは、日本の映画文化の貧困さを感じます。NHKでドキュメンタリー映画の時間枠を設けてくれませんかねェ。