川島雄三の傑作

nostalji2006-10-27

原爆頭突きの大木金太郎さんが亡くなる。享年77歳。韓国名は金一(キム・イル)ですが、私にとっては大木金太郎ですね。ブルート・バーナードの角材攻撃で耳を半分そぎ落とされた凄惨な試合や、ボボ・ブラジルとの頭突き合戦が印象に残っています。後遺症に身体が蝕まれるほどの、頭突きまた頭突きの突進力は凄かったです。画像は、ボボ・ブラジルのボディーに頭突きを見舞う大木金太郎
録画していた『洲崎パラダイス赤信号』(1956年・日活/監督:川島雄三)を観る。『幕末太陽伝』と並ぶ川島監督の傑作です。社会の底辺で愚かしいほどに執着をもって生きている男と女。緻密な風俗描写と洲崎遊郭入口のチカチカするネオンに見られる鋭い映像感覚で、愚かしい人間たちの言動が愛すべき存在となって迫ってきます。『幕末太陽伝』と比べると完成度は劣りますが、愚かしい人間の愚かしい言動に人間の面白さを見出すという監督の意図は見事に表現されていますよ。甲斐性のないダメ男を演じた三橋達也も良かったですが、ちょっと崩れた、はすっぱな女の魅力を見せた新珠三千代が良かったなァ。
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