じっくり読書

nostalji2007-04-17

レナード・モズレー:著(高田市太郎:訳)の『天皇ヒロヒト(上下巻)』(角川文庫:1983年8月10日初版発行)を読了。天皇制という制度そのものについて記述したものでなく、天皇ヒロヒトという人間に主眼をおいて書かれています。まだ存命だったこともあり好意的な見方になっていまが、著者の主観を排除して、さまざまな資料から論理的に語られているので納得できます。皇室という特殊環境の中で育ち、国運を委ねられ苦悩する姿に共感を持ちましたね。天皇の戦争責任について、よく問題になりますが、天皇がいなくても日本は戦争につき進んだと思いますね。庶民自らが立ち上がって政権を倒した歴史のない日本において主権在民思想はなく、お上の言いなりですからね。これは戦後になっても続いているんじゃないかな。心の奥底には、お上がなんとかしてくれる思想がありますからね。それにしても、日本人の中で一番自由のないのが天皇で、戦後、天皇制を存続させたことは、天皇家にとって幸せだったのか考えさせられますねェ。画像は、下巻の表紙。上巻も色違いなだけで同じデザインです。
林屋正蔵が1億2千万の申告漏れをしていたとのこと。昔の落語家は名人でも貧乏の見本のようなものだったんですが、今や高額所得者になったんですね。ただ、祝儀は祝儀で返すのが常ですから、貰いぱっなしにはできないでしょうけど。