騎馬民族征服説への疑問

nostalji2007-12-11

昨日に続き、私論展開。騎馬民族征服説というのは、江上波夫教授が唱えたもので、扶余系の騎馬民族朝鮮半島を下って百済新羅に王朝を樹立し、その一派が海を越えて日本に渡来したというのが騎馬民族征服王朝説の背景になっています。騎馬民族が日本にやってきたことは否定できないですが、私は日本を征服するためにやってきたのではないと考えています。海を渡るというリスクをおかしてまでも日本を征服するメリットがないからです。結論からいうと、朝鮮半島で敗れて行き場がなくなった多くの一族が、日本へ逃げてきたと思っているんです。国内で戦いを繰り広げていた日本の権力者(統一国家はできていない)は、大陸および半島の進んだ技術を得るために、積極的に彼らを重用したと思いますね。そうやって、どんどん同化していったと思うんですよ。
朱蒙』を観て思ったのですが、古代の政治においては巫女の役割が大きいんですね。184年頃、倭国の争乱を治めたという邪馬台国卑弥呼も、文化的には似たような存在と思われます。『朱蒙』は、日本では邪馬台国以前の紀元前100年〜80年頃の物語ですが、漢によって追われた一団の中に『朱蒙』に登場するような巫女が海を渡って日本に来たことだって考えられます。そうした巫女が年月を経て同化し、国を支配する卑弥呼のような存在になったとしても不思議ではないでしょう。
那光史郎:著の『幻の騎馬王朝』は、騎馬民族の出身といわれている崇神天皇の秘密と、殺人事件が並行して展開する歴史ミステリー。江上波夫教授の騎馬民族征服説についても触れています。