純友の出自は

nostalji2008-07-05

北方謙三:著の『絶海にあらず(上巻)』(中央文庫:2008年6月25日初版発行)を読了。上巻は藤原純友が伊予掾に任じられて伊予で過す承平年間の物語です。藤原北家の私欲のために生活の手段を奪われ海賊となった海の民たちとの親交を図り、指導者的存在になるところまでが描かれています。純友は伊予の豪族高橋氏の出身で藤原良範の養子という説があるのですが、著者は良範の実子説をとっていますね。私としては、土地勘や海賊戦法の熟知からして養子説の方が面白いと思ったのですが、純友を豪爽闊達な魅力的人物にすることで海の民たちが心服していくようにしています。純友追討軍の将軍となる小野好古が親友という設定になっており、果たして下巻は……