史実と違うが

nostalji2008-07-06

北方謙三:著の『絶海にあらず(下巻)』(中央文庫:2008年6月25日初版発行)を読了。純友の叛乱が史実とはかなり違った内容で展開していきます。純友の活動領域は瀬戸内海にとどまらず、玄界灘さらに東南アジアへと交易活動を広げていきます。対外交易を独占する藤原北家との交易対決という図式になっているんですね。備前や讃岐での叛乱行為は純友の名前を利用した海賊たちで、純友とは別の組織という解釈にたっています。したがって、純友を裏切る副将の藤原恒利は登場しません。博多で小野好古が率いる追討軍に撃破されるのは別の海賊ね。政府の対外交易の拠点である大宰府の鴻臚館を焼き討ちした純友は…… 既存の史実から脱却した北方歴史巨編で〜す。