今年は不調だったけど

nostalji2009-09-03

アンドリュー・ゴードン:著(篠原一郎:訳)の『日本人が知らない松坂メジャー革命』(朝日新書:2007年10月30日第1刷発行)を読了。ハーバード大学教授で熱狂的レッドソックスファンの著者が松坂の入団1年を追ったドキュメンタリーです。日米の野球の違いを、単に“文化論”から考察するのでなく、異文化同士が相互に影響を及ぼしあい、時代とともに変遷していることに着目している点が面白かったですね。日本選手は大リーグより練習すると云われていますが、昔は大リーガーもやっていたんですね。1950年代に大リーグの練習を知ってから、日本でもマネしてやるようになり、それが“投げ込み”や“走り込み”という形になったとのことです。一方大リーグは、色々な科学的分析が重視されるようになり、肩を消耗する“投げ込み”や、スタミナを消耗する“走り込み”は選手寿命を縮めるというので一般的でなくなりました。だけど、選手寿命以前に大リーガーとして活躍できなければ意味ないわけで、松坂の練習法もアメリカ選手の試みのひとつになるだろうと著者は述べています。残念ながら今年の松坂は散々で、松坂メジャー革命は停止してしまいましたが、この経験を糧に来年は進化を遂げてくれることを期待しています。