粗筋だけは知っているが

nostalji2010-06-12

未見の『伊豆の踊り子』(1963年・日活/監督:西河克己)を留守録にして出かける。原作は「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ……」で始まる川端康成の名作で、6回映画化されています。録画するのは、吉永小百合主演の作品で、相手役は高橋英樹ね。天城街道で旅芸人の一行と道連れになった学生が、旅を続けていくうちに踊り子の少女と淡い恋をし、旅の終りの下田港で別れがくるという純愛物語。誰もが知っている粗筋なので、原作が持つ主人公のイメージと主演女優のイメージを映画の中でどう活かすかが、監督の手腕になるのでしょうね。
戦前の田中絹代主演(1933年/監督:五所平之助・相手役:大日向伝)が、主人公のイメージにピッタリで一番出来がいいみたいですが私は未見。美空ひばり主演のものは、部分的に観たのですが、ひばりがやけに大人びていて可憐という感じはしなかったですね。鰐淵晴子の踊り子はスチール写真を見ただけですが、西洋人形の美しさで、やっぱりイメージにあわない。内藤洋子の踊り子は悪くなかったけど、相手役の黒沢年男が体育会系で文学青年に見えなかったのが難点でした。西河克己による再映画化で、三浦友和と初共演だった山口百恵の踊り子は魅力的でしたが、大正末期という時代設定なのに、下田港にプラスチック製のボートが映っていたのは興ざめでしたね。あれこれ違うところを比較しながら観るのが楽しみで〜す。
画像は、吉永小百合伊豆の踊り子