オリジナル時代劇

nostalji2011-03-28

録画していた『鬼平外伝・夜兎の角右衛門』を観る。“人を殺さず、女を犯さず、貧しき者からは盗まず”という先代(中村敦夫)からの掟を守って盗みをする夜兎の角右衛門(中村梅雀)だったが、盗みに入った商家で手下が下女(荻野目慶子)を斬ったことは知らずに7年後、右腕を失って乞食になっていた下女を偶然知り、手下の不始末は親分の責任と、火盗改に自首するんですな。“盗人の看板といっても、しょせん泥棒の見栄にすぎない”と、与力の鮫島(平泉成)が長谷川平蔵の言葉を角右衛門に伝え、角右衛門は人足寄場送りになります。老囚人(左とん平)の死や、下女の生き様に接して角右衛門は……
原作は、池波正太郎の短編『白浪看板』で、鬼平シリーズ以前の作品です。従って、このドラマでも鬼平の名は出てきますが、鬼平は登場しません。盗人を主人公に、人間の情念を見事に描いていますよ。舞台劇を見ているような張り詰めた緊張感がありましたね。特に、盗賊仲間役の石橋蓮司中村梅雀のセリフのやりとりは迫力があります。派手なアクションなんて必要なく、役者の演技をみているだけで興奮しました。
時代劇専門チャンネルが制作した時代劇で、大手テレビ局が時代劇作りをしない現在、ひじょ〜うに嬉しいことです。第2弾も制作中とのことで、楽しみで〜す。