戦後最初の本格特撮映画

nostalji2011-03-29

録画していた『透明人間現わる』(1949年・大映/監督:安達伸生)を観る。あらゆる物体を透明にする薬品を研究していた中里博士(月形龍之介)が誘拐されるんですな。犯人は研究所に出資していた宝石ブローカーの川辺(杉山昌三九)で、研究員の黒川(小柴幹治)を騙して完成途上の透明薬を飲ませます。この薬には凶暴化する副作用があり、透明を元に戻す還元薬はありません。透明人間となった黒川は……
博士の娘(喜多川千鶴)を巡る研究員同士(夏川大ニ郎と小柴幹治)の恋模様があったり、透明人間の妹(水ノ江瀧子)が宝石強盗事件に絡んできたりと、全体的にゴタゴタしていますが、要領よく場面転換させ、物語はスムーズに進行します。ただ、透明薬の研究目的が不明だったり、物語そのものの出来はよくありません。主眼が透明人間の特撮なので、そんなことは如何でもよかったのかもしれませんけどね。
特撮を担当しているのは円谷英二で、透明人間がタバコをふかす場面や、拳銃が発射される場面、サイドカーで町中を疾走する場面などの特撮シーンは、この時代として素晴らしい出来映えだと思いま〜す。