凡作だが

nostalji2011-12-14

録画していた『座頭市御用旅』(1972年・東宝/監督:森一生)を観る。旅の途中で市は、ヤクザに襲われた身重の女のお産に立合うんですな。子どもは無事に産まれますが女は死に、市は赤ん坊を女の義妹・八重(大谷直子)に届けるために塩原へやってきます。塩原の町は老目明しの籐兵衛(森繁久弥)によって秩序が保たれていましたが、札つきのヤクザ・鳴神の鉄五郎(三国連太郎)が乗り込んできて……
母親を市に殺されたと誤解した少年と女の夫、老目明しに反抗すると息子(酒井修)、八重を狙う鉄五郎、といった在りきたりの内容ですが、森繁と三国のおかげで見られるものになっています。特に、三国連太郎がメチャ巧いです。子分が石橋蓮司蟹江敬三というのも嬉しくなりますね。存在感ありすぎね。逆に、市と対決する高橋悦史は、とってつけたような存在で目立たないなァ。
笑福亭仁鶴、正司としえ・玲二、田辺一鶴といった当時の人気芸人がゲスト出演していますが、現在の視点で見るとそこだけが完全に浮いています。流行というのは、時を経て見た時、陳腐化しますねェ。