昨日に続き

nostalji2013-05-15

クライブ・カッスラー:著(土屋晃:訳)の『大追跡(下巻)』(扶桑社ミステリー:2012年5月10日第1刷発行)を読了。ベルは犯人に罠をかけますが逃げられたうえ傷を負います。犯人はベルが死んだと思い、サンディエゴで銀行襲撃をたくらむんですな。それに気づいたベルは、犯人の乗った列車を蒸気自動車で追いかけます。サンフランシスコからサンディエゴまでの追撃ね。でもって、犯人逮捕に成功するのですが、サンフランシスコに大地震が起こり、犯人はサザン・パシフィック鉄道の列車を奪ってカナダへ逃げようとします。ベルも機関車だけで大追跡。列車を乗せたフェリーに追いつき、嵐の中で犯人と大格闘。列車はフェリーから滑り落ち、犯人ともどもモンタナ州フラットヘッド湖の水中に没します。
クライブ・カッスラーらしく、湖に沈んだ列車の引き揚げをプロローグにしており、物語展開も映画的でカッスラーの持ち味が出ています。ブッチ・キャシディジャック・ロンドンジョン・バリモアといった実在人物のエピソードをさりげなく織りまぜ、史実のサンフランシスコ大地震をうまく背景に取り込んでいるのもグッド。後期の“ダーク・ピット”シリーズが冗長でつまらなくなり、西部劇的雰囲気だけを期待して読んだのですが、予想以上の面白さで満足、満足。