ハズレまくりの珍作

nostalji2013-08-16

ビデオに録画保存していた『荒原の掠奪者』(1961年・新東宝/監督:下村尭二)を観る。和製西部劇ということで保存していたのですが、西部劇らしいところはあまりなく、陳腐な内容、稚拙な演出で、アクションが宙に浮いている陰々滅々な物語です。
時代はいつかわかりませんが、蒙古の荒野で日本人を頭目(藤田進)とする黒衣馬賊と白衣馬賊が対立しているんですな。頭目の長男・鉄之助(宇津井健)が白衣馬賊に襲われている女(万里昌代)を救って部落に連れ帰ります。女は清朝王族の末裔・李白光で、白衣馬賊は白光の父が隠したという清朝の財宝を狙っていたんです。鉄之助は白光と愛しあうようになります。鉄之助には峯之助(松原緑郎)という弟がいますが、母が白衣馬賊に拉致された時に身ごもった子どもで、性格がひねくれているのね。峯之助は白光を自分のものにしようとして鉄之助と争い、止めにはいった母を誤って撃ってしまいます。母は鉄之助に弟を許すように懇願して死にますが、峯之助は犯した白光を連れて部落から逃亡。鉄之助は二人を追跡、白衣馬賊も彼らを狙って……
財宝を巡るアクション満開かと思いきや財宝争奪はどこかに行き、うざい三角関係物語になり、白衣馬賊との最終対決もなく、何じゃコリャの連続です。大敵役がいないのが致命的ですな。ラストでは、敵役と思った弟も改心し、兄も許してメデタシ、メデタシなんて、厭きれちゃいました。ハッピーエンドにすればいいってもんじゃないよォ。