凄いのはアクションでなく

nostalji2013-10-06

録画していた『片腕ドラゴン』(1972年/監督:ジミー・ウォング)を観る。ブルース・リーの『燃えよドラゴン』が大ヒットし、それに便乗した感じで公開されたように記憶しています。“ドラゴン、衝撃の最新作!”という惹句につられて映画館に行ったのですが、これがトンデモ映画で逆に強い印象を残しました。40年振りの再見ですが、やっぱりマンガね。
煉瓦工場と染色工場を営む道場・正徳武館と麻薬と売春を商売にしている道場・鉄鈎門があるんですな。正徳武館の高弟チェンルン(ジミー・ウォング)が市民を虐めている鉄鈎門の弟子たちをやっつけたことから鉄鈎門が正徳武館に殴り込みをかけますが逆に撃退される仕末。鉄鈎門の道場主は各国から武道の達人を雇います。沖縄空手、柔道、テッコンドー、ムエタイ、ヨガ武術、ラマ密教武術の達人ね。彼らの武術を見ていると、ハッキリいって笑えます。
鉄鈎門は彼らを率いて正徳武館へ道場破りにきます。正徳武館の弟子たちは彼らに次々倒され、沖縄空手の達人・二谷太郎(フェイ・ルン)にチェンルンは右腕をもぎとられ、道場主も二谷に殺されます。瀕死のチェンルンはシャオユー(タン・シン)という娘に助けられ、彼女の父親の秘薬で左腕を鋼鉄のように鍛えるのね。火で焼いて全神経を殺してから、秘薬を塗って鍛えていくなんて、刀を鍛えるのと同じじゃないの。鉄よりも堅く、パワーもついた左腕で、復讐していくのです。
休みなくアクションが続くサービス精神には感心させられますが、演出的には笑撃の連続。ジミー・ウォングは、『片腕必殺剣』(1967年)以来、片腕キャラがお気に召したらしく、片腕ヒーローがやたらと多いで〜す。