旅の果てには

nostalji2013-10-18

西部劇ビデオの『夕陽の群盗』(1972年/監督:ロバート・ベントン)を観る。徴兵を逃れて西部に向かった若者が泥棒稼業の若者と厳しい現実に直面していく物語です。
1865年、オハイオ州グリーンビルでは北軍の強引な徴兵が行われており、良家に育ったドリュー・ディクソン(バリー・ブラウン)は、両親の手をかりてミズーリへ逃げます。話しかけてきた若者ジェイク(ジェフ・ブリッジス)に不意打ちをくらってドリューは金目の物を奪われてしまうのね。立ち寄った牧師の家でドリューは盗みに入ってきたジェイクと格闘となり、牧師の家の中はメチャメチャ。牧師の妻が帰ってきて、慌てて逃げ出した二人は意気投合します。ジェイクは身寄りのない悪童たちと強盗団を作っており、ドリューは夢を求めて彼らとカンザスへ。無法者のビッグ・ジョー(デイビッド・ハドルストン)一味に襲われて所持品を奪われ、お腹が空いて農家に盗みに入り、仲間の中で一番の年少者がパイをかっぱらおうとして撃たれて死にます。この事件でジェイクを信頼できなくなった仲間の二人が、ジェイクの馬とドリューの時計を奪って立ち去ります。数日後、ドリューとジェイクは木に吊るされた二人の死体を発見し、ビッグ・ジョー一味の仕業と考えたドリューとジェイクは、やってきたビック・ジョーの手下と銃撃戦。彼らを倒したドリューは盗まれた時計を探しているうちに、ドリューの隠している金を見つけたジェイクに馬も食料も奪われて置き去りにされます。やっと町に辿り着いたドリューは、ビッグ・ジョー強盗団の追討隊に参加し、その中にジェイクがいるのを発見。ビッグ・ジョーとジェイクは捕えられ、ドリューはジェイクが死刑にされるのが忍びなく、彼を救けて逃亡します。そして二人は、ウエルズファーゴの駅馬車事務所で……
育ちがよく、悪事も暴力も好まなかった青年が、粗野な青年と奇妙な友情で結ばれ、自分も無法の世界に入っていく過程が、卓越したカメラワークと音楽で自然に描かれています。ビッグ・ジョーの手下と森の中を走り回って撃ち合うシーンや、ビッグ・ジョー強盗団が立て籠もった家の周囲を追手が取り囲むシーンは特に良いですね。
デイビッド・ハドルストンの貫禄ある悪党ぶりもさることながら、こんな筈ではといった感じでドリューとジェイクに撃たれる手下のエド・ローターとジェフリー・ルイスもグッド。『男の出発』と同様に、リアリズムに徹したニューシネマ西部劇の秀作で〜す。