面白くはないが

nostalji2013-12-05

西部劇ビデオの『さらば荒野』(1970年/監督:ドン・メドフォード)を再見。無法者に連れ去られた女が無法者と愛しあうという設定が、昨日観た『バンドレロ』と同じだったのでね。作風はまるで異なり、こちらはマカロニウエスタンに似た(音楽がリズ・オルトラーニで特にそんな風に感じた)情念の世界。
フランク・コルダー(オリバー・リード)に率いられた無法者の一団が、学校で子どもたちに文字を教えていたメリッサ(キャンディス・バーゲン)を連れ去ります。文盲のコルダーは人生をやり直すために字を習いたかったのね。しかし、メリッサは教師でなく大牧場主ブランツ・ルーガー(ジーン・ハックマン)の妻で、そのことを狩猟旅行中に知ったルーガーは親友のマシュー(サイモン・オークランド)たち狩猟仲間とコルダー一味を追います。ルーガーはメリッサなんか愛しておらず、目的は人間狩りね。サディストの夫に満足していないメリッサはコルダーにだんだん惹かれて愛しあうようになります。コルダー一味に追いついたルーガーは望遠照準付の高性能ラーフルで不意打ちをかけ、逃げる無法者たちを次々と倒していきますが……
ルーガーがコルダーに追いついてからの展開が、一方的すぎて面白みに欠けます。コルダーの反撃が一度だけで、逃げ回ってばかりで知恵がないんですよ。ルーガーの狩猟仲間は金持ちばかりで、一度の反撃に怖気づいてマシューを除いてルーガーから去って行くのはリアリズムなんでしょう。男たちの中に女一人という状況下には必ずいる性欲男(L・Q・ジョーンズ)がメリッサに刺されて、コルダーに置き去りにされるんですが、彼から二人の関係をきいたルーガーはマシューが止めるのも聞かずに執拗に追って二人を砂漠で撃ち殺しますが、ルーガーも疲労と渇きであの世逝き。何とも後味の悪いラストね。この後味の悪さで印象に残っている作品で〜す。