幻想だったのか

nostalji2013-12-21

録画していた『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012年/監督:アン・リー)を観る。インドで動物園を営む一家に育ったパイ少年(スラージ・シャルマ)が、家族で動物を連れてアメリカへ移住する船が沈没するんですな。運よく救命ボートに乗り移るんですが、獰猛なトラも乗っていたものだから、さあ大変。物語は、小説のネタを探していた作家(レイフ・スポール)に成人したパイ(イルファン・カーン)が想い出を語る形で展開します。
人間はパイ少年だけで、シマウマ・ハイエナ・オラウータン、それにトラが救命ボートに乗り合わせるというありえないような設定(これには理由があることがラストでわかります)で、結局パイ少年とトラだけが残り、サバイバルを繰り広げるのですが、緊張感の合間にユーモアを交えたアン・リーの演出は見事です。それと、夜光虫の光や水中シーン、浮島のミーアキャットなどの映像美は素晴らしいですね。CG特撮が違和感ありません。アカデミー賞受賞が納得できる作品です。ただ、ラストのもう一つの物語のために必要だったのかもしれませんが、主人公の宗教観を説明するために、遭難に至るまでが長すぎる感じがしま〜す。