中途半端すぎ

nostalji2014-01-14

録画していた『五十万人の遺産』(1963年・東宝/監督:三船敏郎)を観る。三船敏郎の監督作品ということで興味がひかれましてね。フィリピンの山奥に隠された軍資金(数億の金貨)を巡るアクション映画?なんですが、三船の演出云々を言う前に、菊島隆三の脚本が悪すぎます。
軍資金を隠した元陸軍主計少佐の三船が、その実在をかぎつけた貿易会社社長の仲代達矢に娘の星由里子の命を種に脅迫され、仲代の弟の三橋達也や用心棒の山崎努たちと金貨発掘にフィリピンへ。仲代の周辺には胡散臭い外人たちがいて、序盤はサスペンスタッチで面白くなるかと思ったのですが、ボロ機帆船でフィリピンについてからはガタガタ。フィリピン戦没者への哀悼やら人間性の目ざめとか、どうでもいいような情感を盛り込みすぎてダラケっぱなしね。生存兵の土屋嘉雄と原住民妻の浜美枝のシークェンスなんて陳腐。ラストもリアリズムを意識したのか、後味の悪いものになっていま〜す。