パロディ風だが

nostalji2014-02-17

録画していた『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』(1976年/監督:ハーバート・ロス)を観る。コカイン中毒になったホームズ(ニコル・ウィリアムソン)の心的要因が過去の出来事にあると考えたワトソン(ロバート・デュバル)は、心理学者フロイド(アラン・アーキン)に治療してもらおうと妻(サマンサ・エッガー)やホームズの兄(チャールズ・グレイ)の助けを借りてホームズをウイーンへ連れだします。そこで、フロイドの患者で社交界の花ローラ(ヴァネッサ・レッドグレイブ)の誘拐事件に遭遇し……
1970年代のホームズ映画は、ビリー・ワイルダーの『シャーロック・ホームズの冒険』のヒットによりパロディ風のものが盛んに作られ、これもその一つです。悪の権化のようにホームズが中毒でうなされるモリアーティ(ローレンス・オリビエ)は、ホームズが子供の頃の家庭教師で、おどおどした小心者。モリアーティとの因縁はフロイドの分析によってラストで明かされるんですけどね。
ホームズ読者であれば誰でも知っている事を巧く織り込み、実在の人物フロイドにホームズの心を分析させるなんて面白いアイデアです。ローラ事件も見事なミステリーアクションに仕上がっており、クライマックスの列車追跡なんてワクワクしますよ。奇想な物語に、満足、満足。