ついでに

nostalji2014-05-08

西部劇ビデオで『燃える平原児』(1960年/監督:ドン・シーゲル)を再見。インディアンの女を妻にした一家の悲劇の物語です。ペイサー(エルヴィス・プレスリー)は、白人の父(ジョン・マッキンタイア)と後妻であるカイオワ・インディアンの母(ドロレス・デル・リオ)との間に生まれた子で、先妻の白人女性との間で生まれた兄クリント(スティーブ・フォレスト)がいます。カイオワ族の酋長が代わり、新酋長のバッファロー・ホーン(ロドルフォ・アコスタ)が蜂起したことから一家に災難がふりかかるのね。町民はクリントに一緒に戦えと脅すし、バッファロー・ホーンはペイサーに仲間になれと誘いにきます。一家はどちらとも戦いたくなく、平和を望んでいましたが、母が白人に殺され、父がインディアンに殺されたことから……
インディアンと白人の間にはさまった一家の苦悩を描いた異色作です。最後まで兄弟愛が貫かれており、悲劇ではあるものの清々しさを感じましたね。この作品では何といってもプレスリーの自然体の演技が光っています。プレスリー自身、インディアン(母方)の血が流れており(1/8とのこと)、混血ぶりがピッタシです。プレスリーは、主題歌「Flaming Star」と、冒頭のパーティー場面での「A Cane and A High Starched Collar」と、2曲歌っていますが、プレスリーについて詳しい湯川れい子によると、公開時にカットされた「Britches」と「Summer Kisses,Winter Tears」という挿入歌があったとのこと。歌を売りにしなかったドン・シーゲルの慧眼に乾杯で〜す。