旧くても

nostalji2014-05-10

ビデオに録画保存していた『七つの顔』(1946年・大映/監督:松田定次)を観る。片岡千恵蔵の“七つの顔の男”シリーズの第1作目です。華やかなレビューの舞台から人気スターの清川みどり(轟夕起子)が誘拐されるんですな。みどりは身につけていたダイヤのネックレスを奪われて解放されるのですが、彼女の証言から都知事選に立候補していた野々宮信吾(月形龍之介)が逮捕されます。野々宮から贈られた花束が発火して楽屋が火事になり、そのドサクサでみどりが誘拐されたこと。野々宮がネックレスの所有者に借金して断られていること。野々宮の屋敷から犯人がつけていた仮面が発見されたことが証拠になるのですが、証拠がそろいすぎていることに探偵・多羅尾伴内片岡千恵蔵)は不審を抱き……
事件が起こる前に、何故かレビューの舞台で手品師として登場し、多羅尾伴内となって押し売り的にみどりから事件解決の依頼を受けます。老警官となって留置所にいる野々宮から疑問点を訊きだし、事件の黒幕(上田吉二郎)に新聞記者となって近づき、実行犯(原健策)に傴僂の占い師となって揺さぶりをかけ、犯人の一人を片目の運転手となって捕まえます。悪党一味(潔癖な野々宮が知事となっては困る利権にむらがる連中)が集まったところへ、七つの顔の男は正義と真実の使徒・藤村大造となって事件の真相を暴くのね。娯楽に飢えていた終戦直後の大衆が歓ぶ内容です。最後はカーチェイスまであり、愉しめま〜す。