懐かしの日活アクション

nostalji2015-10-10

録画していた『抜き射ち風来坊』(1962年・日活/監督:小杉勇)を観る。アキラや圭一郎の仇(ライバル)役だった宍戸錠がエースのジョーというキャラを確立してヒーローとなった作品の中の一本です。
韓国の抑留漁夫収容所から仲間と脱走したジョー(宍戸錠)は、土門(金子信雄)の裏切りにあって船を奪われ韓国に置き去りにされます。ジョーを助けたのが終戦のドサクサで母(奈良岡朋子)と生き別れとなった梨花松原智恵子)で3年後に彼女と密航して帰国。土門は海運会社の社長になっており、麻薬の密輸で稼いでいます。ジョーは腕を見込まれて高田(藤村有弘)のクラブの用心棒になりますが、高田が土門の子分だったことから……
脱出の際に土門に殺された男の弟(平田大三郎)がジョーの仕業と誤解してジョーを狙ったり、梨花の母親が土門の愛人になっていて好色な土門から梨花を救ったり、悪玉に見えてジョーの危機を救う潜入麻薬Gメン(珍しく悪役じゃない深江章喜)が現れたりと、荒唐無稽な日活アクションの世界が展開していきます。
当時、韓国大統領・李承晩が独断で日本海軍事境界線(李承晩ライン)を設定し、その内側で操業する漁船を拿捕し漁師を抑留したんですな。それが抑留漁夫収容所ね。抑留者は延べ3929人にもおよび、劣悪な抑留生活を強いられたとのこと。これだけは荒唐無稽じゃないよォ。