健さんがらみで

nostalji2015-10-30

録画していた『地獄の掟に明日はない』(1966年・東映/監督:降旗康男)を観る。既に“網走番外地”“日本侠客伝”“昭和残侠伝”で頭角を現していた健さんの長崎を舞台にした現代ヤクザものです。
長崎ヤクザ組織の山崎(河津清三郎)組と権藤(佐藤慶)は競艇場の利権を巡って対立しており、競艇場で山崎を狙った権藤組の刺客に子分(小林稔侍)が殺されます。殺された子分の兄貴分である滝田(高倉健)がすぐに仕返し、抗争が勃発。滝田の幼馴染の新聞記者・北島(今井健二)の記事で社会問題になり、悪徳弁護士の軍司(三国連太郎)が調停して山崎と権藤は手を結びます。しかし、八百長レースで権藤に儲けさせて恩を売ろうとする山崎の思惑はレーサーの明(串田和美)が八百長をせず、大損した権藤は山崎組へ攻撃開始。明が恋人・由紀(十朱幸代)の弟だったことから、滝田はリンチされる明を救うために山崎に命じられて権藤を殺す刺客となり……
原爆症を患っており、時々発作がでて、いつ死ぬかわからないという主人公を、健さんが好演しています。ヤクザ組織を操って漁夫の利を得ようとする三国連太郎の胡散臭い弁護士もグッド。小林稔侍の女房役で南田洋子が出演していますが顔見せ程度ね。降旗康男の演出は、長崎ロケや八木正生の音楽が見事に調和して見事な出来栄えになっています。ヤクザ映画というより1960年代のフランスギャング映画のような香りがする作品で〜す。