爺い、バンザイ

nostalji2016-06-12

ダビングして持って来た『龍蔵と七人の子分たち』(2015年/監督:北野武)を観る。老いぼれヤクザたちが詐欺集団を成敗するコメディ・アクションです。
ヤクザを引退した龍蔵(藤竜也)は、息子(勝村政信)家族と暮らしていますが、ヤクザの性分が消えないため迷惑をかけてばかり。そんな龍蔵に“オレオレ詐欺”の電話がかかり、待ち合わせ場所で元弟分のマサ(近藤正臣)と偶然会います。二人に恐れをなした金の受取人は何もできずに退散。その夜、二人はかつての仲間だったモキチ(中尾彬)がグレン隊風の若者たちに絡まれているのを助けに入り、マル暴刑事の村上(ビートたけし)から若者たちが“オレオレ詐欺”や“闇キン”“押付け販売”などを裏で行っている京浜連合の一員だと知らされます。龍蔵はかつての仲間に連絡をとり、「一龍会」を結成し、西(安田顕)率いる京浜連合と抗争を開始しますが……
たけしのヤクザ物は、またか、という感じで観る気がおきないのですが、コメディはいいですね。老人ギャグなんか、たけしの本領発揮ですよ。「俺たちに明日なんかいらない」とばかりに殴りこんでくる龍蔵たちに恐れをなして逃げ出した西たちを、龍蔵たちがバスジャックして追いかけるアクション演出は巧いですね。ハリウッド流の派手なカーチェイスを避け、笑いでもって楽しませる術は、たけしならではです。高齢化社会や詐欺犯罪という社会問題を巧みに盛り込んだ良質の娯楽作品ね。金無し、先無し、怖いもん無し、ジジイが最高!